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| 1泊だけお世話になった人気のあるFort MasonのYH |
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朝早く起きて、出発の準備。このYHには1泊のみで、今晩以降は、シティー・センターYHに泊まるので、荷物全てを持って移動する。同じ部屋の他の人はまだ寝ているので、全ての荷物を空き部屋に移動して、そこでじっくりパッキングをする。 YHの前で写真を撮って、とても良い天気の中、シティー・センターYHに向かう。朝の通勤時間はまだピークではないので、メインストリートの交通量はそれほど多くないが、道の一番右側の車線を走っているので、停留所で通勤客を乗せるバスに何度も行く手を阻まれる。 |
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サン・フランシスコに到着した最初の5泊お世話になったこともあり、もうお馴染みの、シティー・センターYHに到着して、荷物を預ける。最低限の荷物だけフロント・パニアバッグに入れて、2度目のシリコン・バレー見学のために、カルトレインに乗るべく、ソーマ地区を越えた奥にある始発駅、フォース・アンド・キング駅をめざす。 |
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カルトレインの始発駅、フォース・アンド・キング駅に着き、出発する列車を確認すると、8時ちょうどの物がある。もっと早い時間帯なら、快速のように途中の駅をいくつかとばして、サン・ノゼに早く行くことが出来る列車があるのだが、それには間に合わなかった。 前回利用したときは、通勤時間帯を過ぎた中途半端な時間だったので、利用者はとても少なかったが、今回は通勤時間帯なので、バイク・カーはそれなりに自転車で混んでいる。私の自転車は、畳むととても小さくなるので、バイク・カーの端にちょっとだけ有る座席の下に置いた。2階席に上がるときに、ふと入り口の上を見ると、日本語の「車」と言う字が目に入り、良く見ると、プレートが打ち付けてあり、この車両は1985年に日本車輌で作られたものであることがわかる。 座席に着くなり、昨日買い込んだ食べ物を食べはじめる。いなり寿司と、レモンパイ。それにヨーグルトと、取り合わせはむちゃくちゃだが、2階席から車窓の景色を楽しみながらの満足な朝食である。 |
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| San Jose駅のホームでヘッドランプのブラケットが破断 |
| | San Jose周辺を走る路面電車VTAにも自転車のマークが |
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| San Jose - CAPITAL OF SILICON VALLEY |
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カルトレインは、前回利用したパロ・アルト駅を過ぎ、途中、ダウンタウン・マウンテン・ビューという駅に到着した。他の駅より長く止まっていると思ったら、この駅は、ライトレールVTAという路面電車の始発駅でもあり、カルトレインからも乗り換える乗客が多いようだ。このVTAはサンノゼのダウンタウンと郊外を結んでいて、サン・ノゼを観光するなら便利だと言う話は、ガイドブックで見ていたが、カルトレインの駅から乗り換えられるとは知らず、利用することは全く考えていなかったので、一瞬動揺した。 この付近の駅は、帰路利用する予定なので、シリコン・バレー・エリアの地図を見ながら、駅に着くたびに位置を確認する。しかし、この地図は、通りの名称は全て記載され、背面全面にしっかりした索引が付いているにもかかわらず、なんとカルトレインのルートや駅が記載されていないため、車窓から直行する道路の名称の書いてある看板を探し、それを頼りに駅を想定するという始末である。 シリコン・バレーの中心の街、サン・ノゼのデライドン駅に到着し、ホームにて、自転車を組み立てると、ヘッド・ランプの支柱が折れてしまった。ちょっと前から、ぐらぐらしていたので、折れるのは時間の問題だと思っていたので、ショックは少ない。ランプからコードを丁寧に外して、カバンの中に保管して、何事もなかったように、地下道経由で駅の出口に向かう。サン・ノゼ・ドライドン駅は、大きな駅で、日本の古い駅を思わせる作りだ。駅の案内板を見ていたら、ここの駅には、キャピタル・コリドーという名称の路線が来ていることが判明。この路線は、昨日利用したアムトラックの路線を経由して、州都サクラメントと繋がっているのだ。大まかな路線図でその存在は知っていたが、ガイドブックにも情報が無く不思議に思っていだのだ。カルトレインの到着したホームの反対側に、アムトラックの車両があり、乗客が乗り降りしていた理由もこれで解った。 工事中の駅の前でなんとか写真を撮影して、出発し。サン・ノゼのダウンタウンに着いて、コンベンション・センター付近にあるはずの、ビジター・センターを探すが見つからない。すぐ前に先ほど、ダウンタウン・マウテンン・ビュー駅で見かけたVTAの車両が止まっていた。窓に自転車のマークが書かれているのを見る限り、このVTAも自転車を乗せるスペースがあるようだ。 |
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| パソコンの心臓部CPUの集積度の変遷を見ることができる |
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予定通り、テック博物館を見学する。この新しい博物館は、科学技術を集めた新しい博物館で、コンピュータ関係や自転車の展示も有る。チケットを買って入り、端から見て行くが、どれも自分が体験できるようになっている面白い展示ばかりで、展示のいずれかで、バーコード付きのカードを取り、それを端末に読み込ませて、名前を登録すると、それ以降、そのカードを読み込ませると、どの展示でも、自分の名前が表示され、作成したデータや、測定結果などが管理される仕組みになっていて感心させられる。 自転車のコーナーでは、コンピュータのシステムで、自分でオリジナルの自転車を設計し、最後に設計図を印刷することが出来る。ちゃんと利用目的を決めて、フレームの材質や、ハンドルの形状などを選んでゆくのだが、利用目的に沿った自転車に仕上がったかのかどうかをちゃんと評価してくれる。この展示を含め、体験型の展示には子供達がたくさん群がっていて、任期の程がうかがえる。当然だが、WWWページを作成するコーナーもあって、設置されたカメラで写真を撮って、来館記念にページを数週間インターネット上に掲載してくれるので、試してみた。 博物館の展示を3時間ほどかけて見終わり、こちらも子供達で大にぎわいの土産店で土産を購入して、疲れたので、併設されているコーヒーショップで一服してから、テック博物館からも見えるところにそびえ立つ、アドビ・システムズの本社ビルを見に行く。 |
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次は、サン・ノゼにあるジャパン・タウンをめざす。思ったより、ダウンタウンから離れていて、少々迷う。かなり北西に行ったところの閑散とした地域の中に、忽然と現れるというイメージで、ジャパン・タウンに到着。3ブロックほどの場所に、日本の名前の付いた商店が沢山並び、当たり前のように、日本人と思われる女性が買い物をしているのが目に入る。久しぶりの日本の生活環境を思い出す。どう見ても日本家屋と思われる家があり、するすると思わず引き寄せられてしまった。 サクラのマークの入った旗が付いた柱が、通りに沢山建っていて、中心の交差点近くには、案内掲示板があって、パンフレットまで置いてある。日本の企業から、ここサン・ノゼに赴任している人は珍しくないようだが、ここまでの日本人コミュニティーが出来上がっているとはすごい。 小さな商店は多いが、大型のスーパー・マーケットなどは見あたら無い。やっと見つけた小さめのスーパーマーケットで、日本食をあれこれ買い込む。 |
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| QupertinoにあるApple Computer社本社 |
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サン・ノゼを出て、クパティーノにある、アップル・コンピュータ社の本社に向かう。とにかくわかりやすい道を使おうと思い、それなりに交通量の多い、ヘディング通りを行くと、途中、大きな通りを横切る所で、飛行機が爆音と共にかなり近くを横切ってゆくのが見えた。サン・ノゼ国際空港がすぐ近くにあるのだ。往路利用したカルトレインの鉄路と交差して、サンタ・クララの南側に入ると、周囲は緑豊かな住宅地となり、とても気持ちよく走れるようになる。 途中、右手に小さなショッピングセンターにある公衆電話が目に入ったので、明日訪ねるつもりのリベンデール・バイシクル・ワークスに電話をしてみる。あいにく、グラントは不在で、またかけ直すことにして、先を急ぐ。 聞き覚えのある、デ・アンザ通りに入り、高速道路を越えると、右側にアップル・コンピュータ社のマークが見えてきた。しかしここは単なるコンピュータ・ショップのようだ。中を覗いて、お店の人に、アップル・コンピュータ社の本社の場所を訪ねると、デ・アンザ通りを挟んで、反対側だという。信号のあるところまで行き、道を渡ると、アップル・コンピュータ社のマーク入りの看板が目に入った。周辺の建物の前には、同様の看板が見えるので、この付近一帯にある建物は全てアップル・コンピュータ社の建物のようだ。いつかは訪れたいと思っていたアップル・コンピュータ本社を目の前にして、少々感動する。 近くに、ガイドブックに記載のあった住所であるインフィニティー・ループと書かれた看板があったので、行ってみると、カンパニー・ショップがあった。閉店間際の、カンパニー・ショップでコンピュータ用のケーブルや、土産にTシャツなどを購入し、店の外に出て、写真を撮っていると、警備員が来て、写真撮影不可だと注意された。ここインフィニティー・ループという通りは、会社の敷地内で、公共の通りではないようだ。すごすごと、名前の通り、ループ状になってい通りを一周して、社屋を眺めて、その場所を後にする。ちょうど仕事が終わる時間のようで、帰宅を急ぐ社員の車が、次々と巨大な駐車場から出てゆく。 |
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| Apple Iが製造されたStiven Jobsのガレージ |
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アップル・コンピュータの本社を後にして、アップル・コンピュータ社の創業者、スティーブン・ジョブズが昔住んでいた家をめざす。ここの家には、社名にもなったアップルというパーソナル・コンピュータを最初に製造したガレージがあり、いわゆる創業地だ。クパティーノの隣のロス・アルトスだが、限りなく、クパティーノに近いので、現在の本社からは3km程の距離だ。 少々通り過ぎて、戻って、クリスト通りに到着。ガイドブックに記載してある、番地2066を探すと、すぐに見つかった。話に聞いている通り、普通の家だ。この旅の前半に訪問した、パロ・アルトのヒューレット・パッカードの創業地である、デビッド・パッカード・ガレージは、カリフォルニアの史跡に指定されていて、碑が建っていたが、こちらは何もない。建物も、2階建てのデビッド・パッカードの家と比べると、小さい物だ。 このガレージで、スティーブン・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックの2人の創業者がパソコンを作り始め、いろいろな意味で世界を変えたわけだ。そんなことを考えながら、しばし感動に浸る。しかし、こんな所を訪ねる観光客は少ないだろうし、ここは、普通の住宅地なので、あまりパチパチ写真を撮っていると、不審者と勘違いされないだろうか心配なので、早々に引き上げることにする。 サン・フランシスコに戻るために、どの駅からカルトレインに乗ろうか考え、ダウンタウン・マウンテン・ビュー駅をめざすことにした。直線距離では、一つ隣のサニーバーレ駅が近いようだが、道のりだと、こっちの方が近そうだし、サン・フランシスコ寄りだ。 |
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| | VTAの終点とCaltrainのMountain View駅 |
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高速道路沿いの道を少々走ると、スーパー・マーケットが有ったので、水を購入し、明日訪問予定の、リベンデール・バイシクル・ワークスに再び電話をする。しかし、営業時間をとっくに過ぎているため、案内のテープが流れるだけだ。 高速道路沿いの道からグラント通りに入るところで、ロード・レーサーの集団とすれ違う。仕事の後にチームで集まってトレーニングと言うところだろうか。その後、すぐ後から、寝そべり型の自転車リカンベントが追いかけるようにこちらに向かってくる。そして、その数分後には、北上しているグラント通りと直行する、フレモント通りの交差点で、フェアリング付きのリカンベントが私の前を通り過ぎていった。これまで、サイクリストをほとんど見かけなかったが、仕事が終わった時間になると、通勤帰りなのか、楽しむために乗り出すのか、サイクリストがわき出てきたような感じだ。 ダウンタウン・マウンテン・ビュー駅へ向かう通りは、その名の通りここがマウンテン・ビューのダウンタウンのようで、素敵なカフェなどが建ち並び雰囲気がよい。それを過ぎると、右前方に駅が見えてきた。入り口は反対側にあるものと思い、線路の北側の道を東に行くが、入り口は無し。戻ろうと思っても、交通量が多く、簡単にUターンなど出来ないので、信号があるところまで進んで反対車線を戻って、踏切を渡ろうとすると、自転車に乗った若い男性が、踏切の手前を線路沿いに入って行く。ここは、VTAの終点の駅の入り口だと思ったら、良く見ると、奥でカルトレインのホームに渡ることが出来るようなっている。 VTAのホームに到着すると、ちょうど、サン・フランシスコ方面行きの列車が来て、今にも出るところだ。もし入り口が解っていれば、これに乗ることが出来たのにと、悔やむ。まあ、VTA側のホームでは、VTAの車両が停車していて、じっくりと写真など撮ることが出来たので、良しとしよう。VTAもしっかり自転車を置くスペースがあることに感心する。 カルトレインのホームに着くと、先ほどの私の前を走って行った自転車の男性がベンチに座っていた。彼に次の列車は何時か尋ねると、すぐ来るだろうとのこと。私が、時刻表で調べると、どうも30分後のようなので、その人に伝えると、渋い顔をして、さっきの列車は、早めに出発したが、本来なら間に合ったはずだという。列車を待つ間、彼と話をすると、彼はちょうど3週間前に日本を旅行して帰ってきたところで、まだ時差ぼけが抜けないとのこと。日本人の私がちょうど3週間前にこちらに来たので、面白い偶然だと彼は言う。日本は、今、円安で海外からの旅行者にとっては良い状況だ。などと話をしているうちに、列車が到着したので、自転車をもって乗り込む。今度は2階には上がらず、数少ない1階の座席に座る。 |
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1時間ほど、カルトレインに揺られた後、サン・フランシスコのフォース・アンド・キング駅に戻ってきた。もう日没後で、あたりは薄暗い。列車を降りて、すぐにYHに戻るべく、自転車を組み立て走りはじめる。2度目なので、戻るルートも、慣れた物である。 |
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YHに戻る途中で、エリス通りにあるサブウェイに寄って、夕食にとサンドイッチを買う。旅の間、野菜の摂取量が少ないので、ツナサラダも別に購入する。ツナの他に、野菜も豊富である。 YHに到着して、チェックインをして、2泊分の宿泊費を支払う。部屋は6階と、かなり上だ。前回利用したときは、2階だったが、今回は迷わずエレベーターを使って部屋に上がる。部屋は前回の倍ほど有るが、ベッドの数は同じで、2段ベッドが2個なので、とても広々としている。2階のラウンジに降り、自販機でコーヒーを買って、夕食にする。よく考えたら、今日は昼食も食べずに、夢中になって走ったのだった。 |