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| 朝の晴れ間の中San Bonito Houseを後にする |
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さて、一日休養したので、体調はばっちり回復している。調整が悪いのか、軽いギアで思いっきりこいでいると内装ギアが外れて何度か空回りし、その際に右足首に負担が来るが、その痛みもずいぶん良くなったようだ。 朝食を取って、荷物をまとめて、サン・ボニート・ハウスを出る。ホテルの前で自転車を組み立て、荷物を装着して、出発。朝のハーフ・ムーン・ベイの町を眺めながら、メイン通りを南下し、州道1号線と合流する。とてもすがすがしい朝だ。 |
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しかし、青ぞおらは次第に白い雲の覆われ、だんだん薄暗くなってくる気配。少々小高いところに登って、マーティンズ・ビーチという所を過ぎる頃には、ポツポツと雨粒が落ちてきた。今回のサイクリングは雨の中を走るための準備はほとんど皆無なので、先が心配になる。雨は、今のところ小雨程度だが、最低でもザックカバーだけでも装着しようと考えながら、先を急ぐ。 |
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道を下りきって、向こう側にまた登りが見えた所に、サン・グレゴリオ・ステイト・ビーチという浜があったので寄ってみる。川が海に流れ込んでいる低い位置にある浜で、橋の向こう側には少々きつい直線の登りがあるのが見える。一時雨は止んでいたが、小休止の後、坂を登りかけたところで、また降り出した。タイミングの悪さに閉口しながら、それでも先を急ぐ。 |
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| ついに雨が降ってきてPescadero State Beachにて雨対策 |
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少々雨が強くなってきた。丘を下った、ちょうど良いところに、ペスカデロ・ステイト・ビーチという浜の駐車場があったので、早速、前後のザックカバーを装着して、そのトイレ脇で雨宿りする。雨の量はそれほど多くないが、横風が強く、トイレの建物の片側にいる分には、雨に当たらない。犬の散歩にでも来ていたのか、気軽な格好で犬と車から降りてきた女性は、どっちの方向に行くのか私に尋ね、私が、サンタクルズ方面だと風の吹いてくる方向を指さして言うと、それはお気の毒にと言うようなことを言って、同情してくれた。15分ほど待っていると、すっかり雨が上がったので、出発。しかし、あいかわらず曇り空で薄暗く、またいつ降ってくるかわからない天候だ。 |
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再び降り出した雨は、だんだん強くなってきたので、道の脇に大きな木が数本立っている場所で雨宿りをする。ピジョン・ポイントの灯台がすぐそこに見える場所で、この先のT字路を右に曲がれば灯台という位置だ。この辺の道は海岸線で他には雨宿りできるような建物の軒先はもちろん、人の背丈以上ある樹木も見あたらない。ここぞとばかり15分ほど休憩を兼ねて、立木の下にいるが、雨は一向に止む気配はない。それでも少々雨の勢いが衰えたのを見計らって、えいやっと、雨宿り先を灯台に変更するべく、立木の下を出る。 |
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| | YHのあるPigeon Pointの灯台にて雨宿り |
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ピジョンポイントの灯台に到着。しかし、まともに雨宿りできるところは皆無。雨は、強くなったり弱くなったりして、相変わらず止む気配はない。ついには、黒い雲が空を覆い、雷まで鳴る始末だ。電話ボックスでかろうじて雨をしのぐが、風が強いので雨が吹き込んでくるし、今までになく寒い。山には入ったときのために、防寒用の肌着を買い込んでいたことを思い出した。車椅子でも入れるように、とても広い仮設トイレがあるので、その中で着替える。 たまに観光客が車で来るが、彼らは果敢にも車か降りて、灯台を眺め、写真を撮ってゆく。もうこうなったら、今日はもう走るのをやめて、このYHに泊まろうかなどと考えながら、1時間。先ほどまでの雷が嘘だったように晴れてきた。雨の中、果敢にも写真を撮ったが、晴れたので写真を撮り直して、出発。この時間なら、目的地のサンタ・クルズまでは走ることができそうだ。 |
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| 昼食はPigeon Pointの先のレストランでFish&Chips |
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ピジョン・ポイントの灯台を出て、州道1号線に戻り、少々行くと、すぐにガソリンスタンドがあり、その脇にレストランが目に入った。今まで食事が出来るところは見かけなかったし、この先も有りそうにないので、ここで昼食を取ることにして、自転車を止めて中に入る。なるべく早くできそうな物をと思い、ホットコーヒーとフィッシュ・アンド・チップスを頼む。地図や手袋など、濡れたものを乾かすのも忘れない。 ホットコーヒーのおかわりをお願いして、会計を済ませて、外に出る。少々風はあるが、相変わらず良い天気だ。本当にさっきの悪天候はなんだったんだろうと思わせるほどだ。 |
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ひたすら海岸線沿いの州道1号線を南下していると、まとまった登りにさしかかった。正面を見ると海面よりかなり高いところを道は通っていて、断崖がある。頑張って登り始めると、ちょっと大きめの看板が目にはいる。カウンティーが変わって、サン・マテオ・カウンティーからサンタ・クルズ・カウンティーに入ったようだ。 ピーク付近には珍しく建物がいくつかあって、それをすぎちょっと下りかけたところに、しっかりした駐車場のあるグレイハウンド・ロックという場所があった。この名前は地図でも確認していたので、何があるのかと思い、するすると入って行くと、駐車場と同じ高さに展望台があり、そこから見える海に突き出した岩が、グレイハウンド・ロックと呼ばれる物のようだ。見て一瞬にして名前の意味が分かった。グレイハウンド犬の頭の形をしているのだ。ちゃんと口のシルエットまである。 |
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ダベンポートという町が近づいてきた。なにやら、道の脇には大きな工場があって、遠くからもよく見える。まるで、スペースシャトルの発射台のようなその工場は、近づいてゆくと、遠くから見えたほどの大きさではなく、鉱物を扱う工場のようなものだった。 サンタ・クルズの町の手前で、小さな丘を越える。ピーク付近で自転車を止めて、地図を入れ換えていると、大きな荷物を積んだサイクリスト2人とすれ違った。手を振って挨拶をする。道は一気に丘を下り、再び海沿いの道に出てから、徐々に海から離れてゆく。地図上ではすでにサンタ・クルズの市街地に入っているようだが、通り沿いにはなかなかまとまった街並みはまだ現れない。かなり走って、やっと商業地が見えてきて、市街地図上での位置を確認することが出来た。サンタ・クルズはかなり大きな町のようだ。 |
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今日泊まるYHには、今朝予約を試みたが、当日の予約は出来ないとのこと。それもあって、早めに到着するつもりだったのだが、もう5時をまわってしまった。少々焦りながら、なるべくわかりやすい道を行こうと、州道1号線から名前を変えたミッション通りから、海沿いの中心部に向かうのにわかりやすいベイ通りに右折して入り、ひたすら海岸線を目指す。一段低いところにある海岸に近いエリアに下ってきたが、さて、YHのあるメイン通りという通りが全くわからない。場所的にはこの付近のはずだが、YHのある通りが地図上で発見できず、数分間あっちこっちを移動した後、やっと地図上で通りの位置を確認した。どおやら、YHは位置的には今いる場所に近いが、一段高い丘の上の住宅地にあるようだ。一度湾岸の道に出てから、海を背に一気に丘に登ってようやくYHが見つかった。 YHの受付に行き、無事チェックイン完了。なにやら4桁の番号を書いた紙をくれた。このYHは、ロッジのようになった建物が敷地内にいくつか建っているという型式で、書いてもらった番号は、建物の入り口の鍵の番号で、毎日変わるのようだ。中に入ると、小さなキッチンがあり、デラックスなソファーのあるロビーがあり、ベッドルームが2個と、バスルーム。バスタブはなかったが、とても豪華である。 |
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荷物を置いて、YHの受付に戻り、早速サンタ・クルズの情報収集を開始する。なにやら、無料で使えるインターネット端末が公立図書館にあるというので、町中散策のついでに行ってみることにする。 商店街のあるパシフィック街道は、YHのある丘を降りて、少々北上したところにあり、自転車で数分の距離だ。なかなか感じの良い商店街で、雰囲気の良いカフェが点在し、日本食のレストランなどもあるようだ。一通り商店街を見てから、図書館のあるチャーチ通りに入る。ATMのマシンが有ったので、現金を下ろしてから、図書館に向かう。図書館の入り口前で、自転車を畳んで、引きずって中にはいると、中央にインターネットの端末が10台ほど有って、全部使用中だ。使い方を見ると、ノートに名前を書き、自分の順番が来たら、ビジターは受付に申し出るようだ。他にも情報検索用の端末があるので、市内の情報等見て、時間を潰し、自分の番が来たので、受付の人にセッティングをしてもらい、早速メールのチェックなどを行う。土地柄か、端末となっているコンピュータのオペレーションシステムは、LINUXが採用されていて、残念ながら日本語の表示は出来なかった。 |
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図書館を出て、YHに戻る際、チャイニーズ・テイクアウェイの店があったので、夕食を購入してゆくことにする。中華ということで、ごちゃっとしたイメージを持っていたが、中にはいると、あか抜けたお店で、適当に指さして、焼きそば,酢豚,肉春巻き等を持ち帰り用の入れ物に入れてもらう。飲み物は、桃のジュースがあったので、思わずそれも買う。 YHに戻って、キッチンにある食卓で、空腹のお腹を満たすべく、早速買ってきた物にかぶりつく。酢豚の肉をほおばったら、骨付きの肉で、口の中を少々切ってしまった。この肉、骨ばかりで食べるところが少なく、ちょっとガックリ。でも、お腹の中は満たされた。 |