バスは1時間ほどで空港に到着。出国手続きを待つ間、待合い室で旅の強者らの話しを聞く。一人日本人のおじさんが我々の話の中に入ってきた。N君いわくバイクの世界ではちょっと有名な冒険家のおじさんで「風魔(フウマ)」とか言うバイクショップのオーナーの風間という人らしい。又どこか冒険にでも行ったのかと皆が聞くと、本人はニュージーランドで遊んでいたとだけ答えた。
待合い室の別の席で一人、ひたすら本を読んでいる人がいる。N君がその人と一緒に写真を撮りたいので、シャッターを押してくれと私に頼む。彼は作家の椎名誠さんで、私もFM放送で声だけは聞いたことがあるので、あの低く素敵な声の主はこんな顔をしているのかとまじまじと見てしまった。
後日談であるが、帰国して数カ月後に発売されたアウトドアマガジン「ビーパル」を見て、椎名さんや、バイク乗りの風間という人ら10数人でニュージーランドで遊ぶという記事が載っていた。私がニュージーランドを走っていた最後の 1週間、彼らもマウントクック等でアウトドアを満喫していたようだ。
出国手続きの時間が来て、窓口に並ぼうと待合い室を出ると、大勢の日本人カップルが並んでいた。あっけにとられながらも出国手続きを終え、成田行きの飛行機に乗り込む。