それならばと教えてくれたのはキャンプ場のバンガローだった。壁に貼られた地図を指さして教えてくれたとおりに自転車を走らせてみてもキャンプ場は見つからない。ぐるぐる走ってまた警察まで戻って地図を見直していると警官のおじさんが出てきてにこっとこっちを見た。市街地を表した手書きの地図は思ったよりも広範囲を示しているようで、走ってきた国道1号線をちょっとばかり戻ったところにキャンプ場の入り口があった。
入り口を入ったすぐのところに管理人の建物があり、利用料金を払って鍵を受け取る。自転車を建物の脇に止めて中に入るとバンガローとは名ばかりのしっかりした部屋で、トイレとシャワーは屋外の共同ではある物の、テーブルや椅子,テレビもある家族で利用できる規模の部屋であった。
日本でもお馴染みのケンタッキーフライドチキンがこの街にもあった。そこで夕食を済ませて部屋に戻りテレビのニュースをなにげなく見ていると、どこかで行われているスキーのジャンプ競技で日本の八木選手が突風に見舞われて失速し地面にたたきつけられたシーンが目に止まった。アナウンサーの言葉はわからないわたしでも映像を見れば何が起きたのかはすぐに理解できた。