イングランドサイクリング

イングランドサイクリング 詳細
1995年9月22日 金曜日 目的の列車に乗り遅れ予定外のカーライル観光の後ブリストルへ


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走行ルート
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Black Sail YHWhiteheaven駅Carlisle駅Carlisle城Carlisle駅Birmingham New Street駅Bristol Temple Meeds駅Bristol国際YH
天候
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雨のちくもり
宿泊先
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Bristol国際YH
走行データ
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走行距離:30km
支払い
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昼食(Whiteheaven駅脇のスーパーTESCOにて購入)
サンドイッチUK£0.85
バナナ2本UK£0.39
サラダUK£1.05
パックジュースUK£0.65
ヨーグルトUK£0.29
缶ジュース(TANGO)UK£0.33
夕食(Birminghamに向かうインターシティー内売店にて購入)
チーズバーガーUK£2.35
缶ジュース(オレンジ)UK£0.65
おやつ(Bristolに向かうインターシティー内売店にて購入)UK£1.20
ポテトチップス
ミネラルウォーター(Volvic)
Bristol国際YHでの支払い
宿泊費UK£10.60
朝食費UK£2.70
缶ジュース(オレンジ)UK£0.50
コインランドリー
洗濯機利用料UK£1.00
乾燥機利用料UK£0.40
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Black Sail YH 09:40発
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霧雨の中Black Sail YHを出発s5tr
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霧雨の中Black Sail YHを出発
Ennerdaleの谷筋のダート道を下るs5tr
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Ennerdaleの谷筋のダート道を下る

昨晩の素晴らしい星空とは違い、朝から小雨が降っている。それでも、雨が降っているのはエナーダーレの谷だけだろうと、勝手な想像をして走り始める。YHの前での記念撮影に時間を取りすぎて、結局こんな時間になってしまった。

雨は谷を抜けても止むどころか強くなるぐらいだ。今日は海岸の町ホワイトヘブンでローカル線に乗り、湖水地方を離れ、列車を乗り次いでイングランドを南下しストーンヘンジのあるソールズベリーへ行く予定だ。ホワイトヘブンまで下りなので、楽勝と思っていたが、ダート走行で腰も少しづつ痛みだし、なかなか予定通りに距離が伸びない。

海岸線に近づくに連れ、小さな峠のようなアップダウンが繰り返し現れ私の行く手をさえぎる。あの丘を越えれば、海岸沿いに位置するホワイトヘブンの町に違いないと、何度も思ったが、期待は裏切られた。挙げ句の果てには道を間違えているのではないかと、歩いている御婦人にホワイトヘブンの町への道を尋ねると、方向は間違っていなかった。

Whiteheaven駅 11:35着 12:53発
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Whiteheaven駅のホームs5tr
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Whiteheaven駅のホーム
客車の入り口に愛車を置くs5tr
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客車の入り口に愛車を置く

やっとのことで、ホワイトヘブンの町に到着。しかし、駅は市街地から離れているらしく、駅を示す看板にしたがって進めどなかなか到着しない。時計をみるともう列車の発車時刻である。もうこうなったら時計が進んでいることと、列車が遅れていることに期待するしかない。。

やっとのことで駅に到着。列車の気配はない。自転車を軒先に置き、ポンチョを脱ぎながら駅に駆け込むと、列車もう発車した後であった。次の列車は2時間弱も待たなければならず、おまけに幹線に乗り換えるカーライル駅では接続が悪く、もう2時間も待たなければならない。

雨の中走りずくめで疲れていて、何も考えられない状態なので、待合室でボーっと休憩する。もうこうなったら開き直るしかないと、駅近くのマーケットに昼食の調達に行く。大きな駐車場のある巨大なマーケットで、漁港の町だからか、魚介類が豊富に売られていた。イングランドに来てスーパーマーケットでの買い物は初めてだし、時間があるので、どんなものが売られているのかじっくり見てまわることにする。

列車が到着アナウンスが有ったので、小さな駅舎を出て自転車とともにプラットホームへ入る。改札という物がありそうでないので変な気分である。到着した列車の客車のドアから顔を出している車掌さんに誘導されて乗り込み、自転車を客室の入り口の荷物スペースに置く。ローカル線は、荷物車が連結されていないのだ。

乗り込んだ列車は数人しか乗っていない。さっきスーパーマーケットで仕入れたサンドイッチやサラダやバナナを昼食として食べる。海岸線を北上する列車の車窓からアイルランド海を眺めながら、各駅で乗り降りする人を見ていると、イングランドの普通の人々の生活が見えてくるようだ。

トーマスクックの時刻表と首っ引きで、別のルートが無い物か考えたが、やはりカーライル駅で2時間待つより早く次の乗り換え駅であるバーミンガムの駅に到着することはできそうにない。これではストーンヘンジのあるソールズベリー行きを諦めざるを得ないようだ。乗換予定だったブリストル駅で下車し、ブリストル国際YHに泊まることにする。このYHは駅からも近く、24時間オープンだから遅くなっても大丈夫だ。そもそもソールズベリーはB-O-Aには50kmと遠すぎて、この腰の状態でなくてもストーンヘンジを見学してからイベントの開始には間に合いそうにない。

Carlisle駅 14:07着
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ローカル線の終点Carlisle駅s5tr
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ローカル線の終点Carlisle駅
Carlisle駅ホームにいた女性2人組サイクリストs5tr
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Carlisle駅ホームにいた女性2人組サイクリスト

列車は海岸線に別れを告げ、内陸に向かって少し走った後、カーライル駅に到着した。自転車と共にホームに降りると、大学生ぐらいの女性のペアが大きな荷物を積んだ自転車を押してホームを歩いている。かわいそうに、先程まで雨が降っていたためレインウェアを着ているが、楽しそうに話している。これから楽しい自転車の旅が始まるところなのだろうか。

自転車にまたがり駅舎を出てカーライルの町を見学する。 2時間の列車の待ち時間は、自転車で走り回るには充分な時間だ。列車に乗り遅れるというハプニングのため、予定していなかったカーライル観光である。そのため列車の中で、観光ガイドブックを読んで予習しておいたのだ。こんなことが気軽にできるなんて素晴らしい。こんな場合、輪行が必要な日本では、駅前の食堂で時間を潰すぐらいしかできない。

Carlisle城 15:00着 15:40発
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Carlisle城s5tr
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Carlisle城
Carlisle城入り口s5tr
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Carlisle城入り口

カーライルの中心の繁華街をうろうろしていると、ロードレーサーを止めてベンチで休憩しているサイクリストを発見。声をかけて話をする。日本から来たというと、日本のシマノは優秀だと力説。お返しではないが、私の愛車、英国製のアレックス・モールトンは素晴らしいと力説する。

まだまだ時間があるのでカーライル城を見学しに行く。いくらかの入場料を支払い、城の建物の中に入る。順路に従って、上の方に登ってゆくと、石でかこまれた殺風景な部屋にシンボルの大きな旗が掲げられていた。カーライル城は城というより、大きな砦という感じだった。

城の中庭は、駐車場になっていて、普通の車が沢山有ったが、奥の方には戦車や装甲車などのイギリス軍の車両が見えた。どうやらイギリス軍の施設にもなっているらしく、建物の一角にはイギリス軍の栄光の歴史を展示する戦史博物館のような物があった。展示物の中には日本兵の持ち物であった寄せ書き入りの日の丸が展示して有った。日本人の名前や知った地名が沢山記されていたが、持ち主の遺族はこの日の丸がここに展示されていることを知っているのだろうか。日本やドイツの事を当然良くは取り上げていない博物館でもあるし、日本人観光客のたくさん訪れるロンドンならいざ知らず、カーライルの一角でひっそりと展示されているなんて、知らないのではないかと思うのであった。

カーライル城の前で記念撮影をして、出発。午前中の天候がうそのようないい天気だ。来た道をカーライル駅に向かって戻る。駅へは10分とかからないので、朝のようなへまはしない。ロンドンのユーストン駅行きのインターシティーの時間には余裕で間に合うはずだ。

Carlisle駅 16:07発
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Carlisle駅前の砦s5tr
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Carlisle駅前の砦
特急列車Inter Cityの中で軽い夕食s5tr
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特急列車Inter Cityの中で軽い夕食

カーライル駅に戻り、自転車を押して駅舎を抜け、ホームに入る。自転車を押してホームに入るというのは日本では有り得ない習慣で、最初はびくびくしていたが、慣れてくるとすこぶる痛快である。ちゃんとホームをつなぐ跨線橋も階段とは別に必ずスロープがあり、自転車を押していても問題はない。もっともこれは自転車のためではなく、旅行に付き物のトランクなどの大きな荷物をカートにのせて運ぶためなのだろう。

目的の列車の到着するホームを確認し、駅員に荷物車の場所を確認して、列車の来るのを待っていると、予定通り列車は到着。もう慣れた物で、すんなりと荷物車に自転車を積み込み、車中の人となった。

カーライル駅を出たインターシティーは、数日前に私が下車したオクスンホルムの駅に止まった後、ロンドンに向かいひたすら南下を続けた。週末だからか、車内は比較的混んでいて、空席を探すのに少し苦労した。通路を挟んで隣にすわっている女性は、マウンテンバイクの雑誌を当たり前のように読んでいる。今朝、私が下って来たエナーダーレのことが出ている記事を読んでいたので、思わず、話しかけるが、少し微笑んだ程度で、話にはならなかった。英語がへたくそな変な東洋人が話し掛けて来た程度に思ったのだろう。そして、この一件は、自転車を趣味とするのは、英国では至って一般的なことだということを感じさせてくれた。

今日の宿泊地であるブリストルの駅に着くのは遅くなるので、列車内の売店でハンバーガーなどを購入して夕食の代わりにする。例によって、大きくゆったりしているのだが、中途半端な角度の座席のシートのためじっとしていると腰が痛くなってくる。おまけに、列車での移動時は、大きな荷物を自分で担がなければならないので、その分も腰に負担がかかる。変な話だが、自転車にまたがっていた方が楽だなと思いながらの移動だった。

Birmingham New Street駅 19:19着 19:35発
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日はどっぷりと暮れて、やっとバーミンガムの駅に着いた。ここで、ロンドンへ行くインターシティーと別れ、西のブリストルに向かう列車に乗り換えるのだ。

自転車を荷物車から降ろし、跨線橋に登ろうとスロープを探すが、この駅はエスカレーターがその代わりであるようだ。同じ列車から降ろしたMTBを持った人の後ろに付いて、エスカレーターに乗るが、あまり安定せず、MTBの彼もてこずっていて、すべり落ちそうになるMTBを押さえるのを手伝ってあげた。

やっとのことで目的のホームを見つけて降りると、まだ列車は入線していないようで、何人かの客が列車を待っていた。駅員に荷物車の場所を確認したところで、目的の列車は到着。乗り込むと時間が遅いせいか、列車内はとても空いていた。

Bristol Temple Meeds駅 21:09着
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やっとブリストルの駅に到着。人気も少なく閑散とした駅舎を抜けて、駅前の車止めに出る。早速、自転車にまたがり、ブリストル国際YHを目指し走り始める。荷物は自転車がかついでくれるので、やっぱりこの方が腰に負担がかからず楽である。

Bristol国際YH 21:20着
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道がよくわからず、少し遠回りしたものの、駅を出て10 分後にはYHに到着。都会のYHらしく、メタリックな外装の近代的な建物である。受付の女の子は慣れないアルバイトなのか、少しもたついていたが、難無くチェックイン完了。

部屋に荷物を入れ、自転車を車庫へと思い、建物の外周をまわるが、このYHの回りは別な建物が建っていて、それらしい入り口が見当たらない。戻って受付嬢によく聞くと、建物のなかに持ち込み、エレベーターで地下の車庫へ入れろとのこと。自転車専用の車庫があるだけでも驚くべきことなのに、建物の中にそのまま自転車を入れろとは驚くばかりである。この国では自転車の扱いが違うことを痛感。単なる乗り物ではなく、客の大事な持ち物なのだ。実は、建物の中まで土足という文化のせいもあるのだろうか。

シャワーを浴びた後、衣類の洗濯に取りかかる。コインランドリーは洗濯に50ペンス硬貨2枚と乾燥に20ペンス硬貨が必要だ。あいにく50ペンス硬貨は1枚しかないので、受け付けに両替を願い出るが、答えはNO。レジの中身も見ず、両替はできないの一点張り。コインランドリーに使いたいと言っても全く取り合ってくれない。よその店で両替しろと言っているようだ。自動販売機に1ポンドを入れてもおつりはむなしく10ペンス硬貨5枚だ。

部屋に戻ってみると酔っぱらって戻ってきたルームメイトが1人いたので、両替をお願いする。彼は小銭をジーンズのポケットから取り出し、私の言っていることが良く理解できていないまま広げて探しはじめた。私が50ペンス硬貨と20ペンス硬貨2枚と10ペンス硬貨を見つけて取り上げ、1ポンド硬貨と交換。彼は良くわかっていないようだが、所詮小銭なので気にしていないようだ。しっかりお礼を言って、いざ洗濯開始である。

日本の友人に絵はがきを書きながら洗濯の終わるのを待っていると、愛想のいい小柄なおばさん登場。乾燥機を使っているので様子を見に来たようだ。私が乾燥機は20ペンス硬貨1枚でどれぐらい動くのかを質問すると、良くわからないとのこと。とにかく彼女も数枚握っている。受け付けには小銭がないので両替してもらえないかと言うと、私も使うので両替はできないが、3枚あれば足りるかも知れないというようなことを言っている。衣類はそれほど大量ではないし、中には乾燥機に通さなくても乾いてしまう素材の物も多いので、私も楽観的に考える。それよりこのおばさん、なんか明日のB-O-Aでのイベントに参加する人のような気がしてきた。もしかしたら、幹事のガルシアさんかもしれないと勝手にそう思い込んだ。

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