イングランドサイクリング

イングランドサイクリング 詳細
1995年9月21日 木曜日 エナーダーレの谷を上り評判のブラック・セイルYHに泊まる


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走行ルート
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Buttermere YHCockermouth InformationWordsworth HouseEnnerdale BridgeBlack Sail YH(標高290mh)
天候
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雨のちくもり
宿泊先
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Black Sail YH
走行データ
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走行距離:58km
支払い
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Cockermouthインフォメーションにて
湖水地方鳥瞰図UK£3.25
Wordsworth House日本語ガイドUK£1.00
Sea to SeaサイクリングルートガイドUK£3.00
Wordsworth Houseにて
入場料(NT会員のため無料)UK£0.00
食堂にて昼食ファーマーズランチUK£3.95
食堂にて昼食 アールグルーティーUK£0.85
Black Sail YHにて
宿泊費UK£5.95
夕食費UK£4.00
朝食費UK£2.70
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Buttermere YH 09:30発
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雨の中Buttermere YHを出発s5tr
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雨の中Buttermere YHを出発
Low Lortonの道標s5tr
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Low Lortonの道標

朝起きると雨。朝食後、準備をして外に出ると、小雨が本降りになっていた。昨晩話をした若者に困った表情を見せると、彼いわく、「これが湖水地方さ!!」とのこと。待っていても雨はやみそうに無いので、リアバッグをザックカバーで覆い、ポンチョをかぶって出発する。

走り始めて、30分も経たない内に、雨は小降りになり、ついにはやんでしまった。バタミア湖岸を離れ、快調にコカマスに向かって下りぎみの道を走る。途中、ケジックからホインラター峠を越えてくる道と合流するロウ・ロートンという集落で小休止をとり、ひたすらコカマスに向かって走る。

Cockermouth Information 11:00着
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コカマスは大きな町だが、天候のせいもあるのか、少々暗い感じの町という印象。大きな教会で写真を撮った後、ツーリストインフォメーションの看板に従い、雨に濡れた路面をゆっくり走る。

ツーリストインフォメーションは広く、資料が充実していた。湖水地方の鳥瞰図と、C2C(Sea to Sea)と呼ばれる、グレートブリテン島横断サイクリングコースの詳細案内地図を購入する。

Wordsworth House 11:40着 13:20発
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ワーズワースの生家Wordsworth Houseの裏庭s5tr
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ワーズワースの生家Wordsworth Houseの裏庭
Wordsworth Houseでの昼食s5tr
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Wordsworth Houseでの昼食
Wordsworth Houseの外観s5tr
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Wordsworth Houseの外観
ウィリアム・ワーズワースの像の前でs5tr
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ウィリアム・ワーズワースの像の前で

インフォメーションでもらったパンフレットによると、ワーズワースの生家は、木曜日の今日は休館日である。ワーズワースに特別な興味があるわけではないので拝観はあきらめ、外から眺めるだけにしようと走り始める。メインストリートを少しゆくとワーズワースの生家に到着。正門が開いているので、入ってみると今日は開館日である。受け付けの女性にナショナルトラスト入会時にもらった領収書を見せてすんなりと入館する。

入り口脇の大広間には当時のままに家具調度品が置かれ、壁には絵画がかけられていた。床には、畳表というか、ゴザのような物が轢かれていて、案内の人に不思議そうに指差すと、これは東洋からの輸入品で、きっと日本からの物だろうとのことだった。

見学順路に従い各部屋を回り、裏口から外に出ると、立派な裏庭が有った。矢印に導かれるまま庭をまわると、敷地の外に川が流れているのが見え、とてもいい眺めであった。

順路の最後の資料ビデオを上映している部屋を通り抜けると、ナショナルトラストの土産を売る売店があり、その外は敷地の外になっている。昼食の時間をとっくにすぎているので、再び正門から入って1Fにあるレストランに落ち着く。野菜とチーズがたっぷりのファーマーズランチを食べた後、紅茶を注文すると、カップ3杯分以上の紅茶が入ったポットが出て来て、飲みきるのに苦労した。

ワーズワースの生家の正面で記念撮影をするため、通りを挟んだところにカメラを設置し、セルフタイマーをかけて戻ってくる。車の交通量が多く、なかなかうまくゆかないが、何度目かに成功し、今度は交差点の角にあるワーズワースの像のところで、記念撮影をして、走り始める。

走り始めると、一時やんでいた雨がまた降って来た。しかたなく、再びポンチョを着て、エナーダーレ湖をめざす。このルートは、国立公園である湖水地方のエリアの外側を通っていることもあり、単調で、風光明媚な山々の景色も遠く、つまらないコースであるが、そう感じさせる一番の原因は、雨であるのか、などどと考えながらひたすら走る。

Ennerdale Bridge 14:50発
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Black Sail YHへの道s5tr
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Black Sail YHへの道
羊飼いの小屋を改造したBlack Sail YHs5tr
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羊飼いの小屋を改造したBlack Sail YH

信号で止められたのをきっかけに地図を広げ、エナーダーレ湖への近道をするべくルートを画策する。この辺はちょうど湖水地方の地図からはみ出した所で、縮尺の荒い地図も見なければならない。雨の中、2つの地図と格闘の末、現在いる交差点から位置を確認し、ルートを決定した。

主要道からそれた近道は簡易舗装レベルの走りにくい道で、思ったよりアップダウンがきつく、近道をしたことを反省する。

今日泊まる予定のブラックセイルYHは、エナーダーレの谷を登りきったところにあるが、谷沿いの道に出るには、標高の高いところを越えてから、エナーダーレ湖に降りなければならない。途中、湖畔へのサインがある脇道を見かけたが、ここを下って湖畔に出ると、きっと谷あいの道には出れないのだろう。いいや、もしかしたら、自転車なら湖岸の小道をたどって行けるのかもしれない。5分ほど地図を見ながら考えたあげく、誘惑を振り切って地図通りの道を登る。

再び分かれ道があり、またまた近道の誘惑である。今度は地図にも出ている道であるが、性能の低い乗り物は進入禁止という看板が出ているので、ストレートに丘を登るようなコースであることは間違いない。はたして自転車を押してゆくのが楽なのか、少し遠回りでも乗って行けた方がいいのか迷った挙げ句、急がば回れということで、乗ってゆけるコースを選んだ。

道は、何件かの農家の集まる小さな集落を抜け、エナーダーレ湖の直前まで来て初めて下りになった。湖岸の道沿いはキャンプ場などがあり、ある程度ゆくと、許可された以外の乗り物の進入禁止の看板が有った。自転車は?と一瞬思ったが、ここで引き返すわけにはゆかないので、がんがん走る。

湖岸の道はもちろんフラットで、雨もあがって快調に走ることができた。YHまでは、川沿いの登りではあるが、地図でみる限りそれほどの勾配ではない。道はやがて未舗装になるが、踏み固められているので、決して走りにくくないし、木々にかこまれていい雰囲気である。何人も歩いているウオーカーに挨拶をしながらのゆっくりペースで登る。

途中の分岐点にこの先通行止めという看板がり迂回路の地図が有った。迂回路を手持ちの地図で確認すると、川の反対側を平行に登ってゆく道のようで、それ程遠回りになることも無いようなので、指示に従う。ウオーカーの人達もそのルートを歩いているようだ。

Black Sail YH(標高290mh) 16:40着
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Black Sail YHでの夕食s5tr
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Black Sail YHでの夕食
Black Sail YHではガス灯が頼りs5tr
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Black Sail YHではガス灯が頼り

徐々に標高があがり、気温も下がって来たようだ。YHのあるブラックセイルに近づいてきて、自然とペースが上がる。体が暖まって来て上半身から湯気が出ているような感じである。

森が開け見晴らしがよくなったところで、橋を渡り、迂回路から予定していた道に戻る。ブラックセイルYHが見えて来たが、それらしい道が無いので、来た道を少し戻って、橋を渡り、川の反対側からYHをめざすが、川の向こうにYHが見えるところで、むなしくも道は切れていた。道をまた戻り、橋を渡って進むと、ウオーカーの人が、YHに向かって歩いているのが見えた。ここからは車が通ることのできないフットパスを行かなければならないようで、羊が逃げないように閉まっている門を開けて通過する。

自転車を少し押して行くと、程なく羊飼いの小屋を改造して作ったというブラックセイルYHに到着した。写真と話に聞く通りの石造りの建物で、周囲は大自然にかこまれ、素晴らしいロケーションである。YHはまだ開く時間ではないようで、数人のウオーカーがベンチに腰掛け、YHが開くのを待っている。

YHのドアがオープンして、管理人が我々を中にいれてくれた。そして、山小屋の部屋のようなラウンジで紅茶のサービス。ウオーカーの人達は、靴を脱いで、くつろいでいる。そうこうしているうちに、日はどっぷりと暮れ、灯がともされた。電気はもちろん来ていないので、とても柔らかい明かりを発するガスランプが我々を包みこんだ。

夕食では、まな板に乗って出て来たパンをナイフで必要なだけ切って食べる。メインディシュの西洋ネギのパイはとてもボリュームがありおいしかった。山の中なので、豪華さには欠けるが、しっかり甘いカスタードクリームのかかったデザートも出た。イングランドで一番印象に残ったディナーだった。

夕食後は、みな思い思いに本を読んだり、勉強をしていたりする。私は、アウトドアの雑誌を見たり、何人かの人とYH の会員証を見せあい、宿泊したYHの話などして過ごす。日本の YHのスタンプは珍しがられた。管理人に日本人はこのYHに来るかと聞くと、日本人どころか、英国人以外はほとんど来ないとのことだった。庭に出て空を見上げると、雲が切れている所があり、降るような数の星が見えた。

このYHは日本のカントリーウオーカーの山浦正昭さんが著書の中で紹介していて、素晴らしいYHだとのことで期待していたが、その通り、素晴らしいYHであった。

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