朝、おばさんに叩き起こされた。とにかく来て見ろとのこと。目をこすりこすりおばさんの後についてリビングルームへ行ってみると鹿が2頭、建物のすぐ前の道をうろついている。こんな町中にまで野生の鹿が現れるなんて、なんだかまだ夢の中の出来事のようだ。おばさんしきりになにか言っている。「あいつらがこのあいだ庭の花を食べちまったんだ」と。
朝、紅茶とトーストをごちそうになりながら、同泊のOL二人組と話をする。おばさん今度は家庭菜園で作ったという小さなニンジンを持ってきて我々に食べろとすすめる。生でがぶりとやってみと、新鮮ではあるが、そのままではそう食べられる物ではない。OL 二人組も困っている。
今日はいよいよ自転車を畳んで夜行バスでバンクーバーに戻る。夕方のバスに乗るまで、チケットの手配や土産の物色等、のんびり過ごすこととする。
公園にあるビジターセンターにはカナディアンロッキーに関する本や、山や野生動物のポスター等を売っている。絵はがきを購入し、自分や知人宛にエアメールを書く。去年ニュージーランドでで出会ったカナダのヒッチハイカー夫妻にも英語ではがきを書く。英語では難しいことは書けないので、とにかくカナダのジャスパーにいるということをだけを書く。
公園の芝生の中をふと見ると、どこかで見かけた人が自転車を持って立っている。前に泊まったアサバスカYHの管理人だ。彼は、アサバスカYHから手紙を取りに自転車でジャスパーの町に降りてきたそうだ。カナダの東部のフランス語圏の出身で夏場だけ短期でYH の管理人をしているという。お互いたどたどしい英語でいろんな話をする。