ジャスパーは観光地ではあるが、落ちついたきれいな町だ。市街地の交通量も少なく、車は自転車より遅いと思えるような低速で走る。町の中心部には公園があって、色とりどりの花が花壇にたくさん植わっている。
ジャスパー駅のすぐ脇で、デビットに再会。彼は自転車はパックして別便で送り、単身オレゴンに帰るという。色々と話を聞きたかったが、あまり時間がないようで、私のいい加減な英語にやきもきしている。手を振り「goodby」と告げて別れる。
今晩はガイドブックに載っているツーリストホーム(民宿)に泊まることにする。ジャスパーにはウイスラー山の麓にYHがあるだけで町中にはない。自転車でずいぶんうろうろして、ストリートの名前や家主の名前を照らし合わせ、やっとの事で目的のツーリストホームを発見した。ツーリストホームと言っても普通の民家の空き部屋を使わせるので、他の家々と全く見分けがつかない。
ツーリストホームの切り盛りをしているおばさん(おばあさん)は私を見るなり得意げな顔でガイドブックに載っているだろうと私に話しかける。おかげで日本人がたくさん来るらしい。今まで来た人の話を大声でする元気のいいおばさんだ。
同泊の女の子2人と食事に向かう。場所は町の中心部との中間にあるレストランで、ツーリストホームのおばさんおすすめだ。専門学校の学生だと言う2人は、カナダ全土を鉄道でまわるつもりだったが、近年珍しいカナダ国鉄のストライキのため、バスに切り替えたという。食事をしながら様々な情報交換をする。
食事から戻ると、ツーリストホームのおばさんは自分のリビングに我々を招き入れ、40チャンネルもあるケーブルテレビを見ながら、お茶とお菓子を食べる。簡単な英語で日本について色々なことを話した。