カナダサイクリング

カナダサイクリング 詳細
1987年8月21日 金曜日 アイスフィールドパークウェイに入る


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走行ルート
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Corral Creek YHMoraine湖Lake Louise JunctionMosquito Creek YH
天候
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晴れ
宿泊先
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Mosquito Creek YH
走行データ
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走行距離:60km
支払い
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バンフ国立公園地図CA$5.00
ジャスパー国立公園地図CA$5.00
マーケット(食料他)CA$7.00
Mosquito Creek YH宿泊費CA$5.50
スープ他缶詰CA$2.30
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Corral Creek YH 09:20発
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今日は良い天気だs5tr
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今日は良い天気だ

山小屋の壁にベッドの棚を2段づつ付けたような粗末な寝室での寝ごこちはあまり良くなかった。一応、ベッドにはマットレス風の物が敷かれてはいるが、布団などは一切ないので、自前の寝袋がないと宿泊はまず不可といった感じだ。列車の本数が少ないため昼間は気がつかなかったが、すぐ近くを走るカナダ横断鉄道の音に何度か目が覚めた。

Moraine湖 11:30着 12:00発
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Ten Peeksが見えてきたs5tr
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Ten Peeksが見えてきた
Moraine湖背景に見事なTen Peekss5tr
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Moraine湖背景に見事なTen Peeks
Moraine湖からの戻り道s5tr
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Moraine湖からの戻り道
谷を見下ろせるロケーションs5tr
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谷を見下ろせるロケーション

昨日行ったルイーズ湖の南側に位置するモレーン湖へ向かう。昨日ルイーズ湖から来た道を少し戻って南に折れモレーンレイクロードと呼ばれるダートの道を5km程登らなければならない。勾配はさほどでもなく、周囲の景色がすばらしいのでダートの登りも苦にならなかった。しかし思ったより車の交通量が多く、メジャーな観光地であることを感じさせられた。

湖畔に近づいたようで、太くなった道の両側に車が20台ほど駐車してある。まだ谷に向かって展望の利くロケーションであることを考えると、ルイーズ湖同様、モレーン湖は山の奥深くにあるのではなく、大きな谷を構成する両サイドの山々が重なって谷に出る寸前で川をせき止めてできていることがわかる。

モレーン湖は背後にテン・ピークスと呼ばれる10個の険しい嶺を従えたすばらしい湖だ。カナダドルのお札にもデザインされ、日本でもジュースの自動販売機等でお馴染みの景色だ。広さを感じる景観のルイーズ湖と違い、高さを感じる景色だ。壁のような高い山が青い水面に映り針葉樹の森が周囲を囲む。ずうっと見ていても飽きの来ない完成された自然のレイアウトの芸術を見たような気がした。

湖岸に広がる針葉樹の林の間を縫うように遊歩道が通っていて、それを戻る途中、昨夜泊まったコーラルクリークYHの管理人の女性が何人かの仲間を連れ歩いていた。手を振って声をかけるがこちらを見るだけでニコリともしない。すこし悪い気分になったが私のことなど覚えていなかったのだろう。彼女が気の強い女性であるということを再認識した。山の中でいかつい男どもを相手にYHを一人で切り盛りをしているのであるから、優しさだけでは成り立たないのであろう。

来た道をそのままもどる。もちろんこの道はモレーン湖のために作られた行き止まりの道だ。帰路は下りなので特徴的な周囲の山々をゆっくり眺めながらゆっくり下る。

Lake Louise Junction 13:00着 14:20発
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Temple山を背景に走るs5tr
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Temple山を背景に走る
Hector湖s5tr
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Hector湖

レイクルイーズジャンクションと呼ばれるトランスカナダハイウエイとの交差点はこの辺では唯一商店が数件集まる場所だ。郵便局や本屋やアウトドア用品を売る店があり、キャンピングカーなどが駐車場にとまっている。書店では十分に用意できなかった詳しい地図が手に入った。国立公園を管理する機関が監修していることをうかがわせる立派な20万分の1の国立公園地図だ。広げるとかなり大きな物で多色刷りで美しく、$5(約500円)ととても安い。ヨーホー,クートネイ,バンフ国立公園が収録された物と、これから向かうジャスパー国立公園の物とを購入した。やはり地図や情報は現地で入手するに限る。

購入した地図をこれから走る部分が見えるように折り、マップケースに押し込んでフロントバックの上に装着する。かなり分厚くなったが、これで標高差などが正確につかめるので自分の能力に合ったペースを維持して走ることができる。これからアイスフィールドパークウエイと呼ばれる氷河や雪の残った山々を見ながらのすばらしいルートをたどり、ジャスパーを目指すのである。

レイクルイーズジャンクションは大きな交差点でここからアイスフィールドパークウエイ(国道93号線)に入る。道に合流するところはさながら高速道路のインターチェンジの様で歩行者や自転車のことは全然考えてはいない構造に憤慨。もしかしたらこの道は自動車専用道なのかと疑ってしまった。しかし、ここで入れなければジャスパーに向かって南下する道はない。それでは話に聞くアイスフィールドパークウエイのサイクリングツアーもできないはずだと自分に言い聞かせてエイヤッと入ってしまった。案の定、すぐに手を上げているアベックヒッチハイカーに遭遇。歩行者がいいのだからと自信を持って走りはじめる。そう思うと厳禁な物で、路肩が高速道路のようで広く本当に走りやすい道だと思うようになった。

Mosquito Creek YH 16:30着
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延々と続くIcefiels Parkways5tr
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延々と続くIcefiels Parkway

バンフからジャスパーに向かうアイスフィールドパークウェイは全線国立公園内を通っているため、始点終点と途中のレイクルイーズ周辺を除くと沿道には民間の施設は少なく、最低限必要と思われる間隔でガソリンスタンドや食料が調達できる店がある程度。宿泊施設も歩く人にはYH、車にはロッジが最低限あるだけだ。看板等視界をじゃまする物は最低限の物しかなく、地図を便りにYHの場所を見落とさないようにと慎重に走る。控えめに立てられたYHの看板を発見したが、例によって建物は道から奥まったところにあって、周囲の景観が損なわれないようになっている。

モスキートクリークYHに着くと管理人らしき女性が建物の修復をしているらしく脚立に登って作業をしていた。今日泊まりたいと言うと、昨日のYHの管理人とは違って愛想がいい表情をしてくれた。

このYHには新築のログハウス風の円形のラウンジがキッチンのある建物のとなりに立てられている。この建物は日本でも見かける(自宅建て直しのためモデルハウスで見かけたことあり)カナダ産の楓の木でできた窓枠を使っていて、とてもソフトな感じだ。部屋の中にはベンチ状の椅子が壁際に固定されていて、真ん中に大きなストーブがある他はなにもない。

一人でラウンジにいるとおばさんが入ってきて話し始めた。外のほったて小屋を指さし、あそこのスーナは最高だという様なことを言っている。よく話を聞いているとサウナのことを言っているようで、小屋の中のストーブに薪をくべ、暖まったら小屋の裏を流れる川で水をくんで浴びるのだと教えてくれた。こんな山の中なので昨日泊まったコーラクリークYH同様、このYHもシャワーなどの設備はないようだ。

自分もサウナに挑戦してみようと、食事が済んだ後、まだ明るい内にねまき用にと用意した半ズボンだけをはいて真っ暗な小屋の中へはいる。すでに中は高温状態で体から汗が噴き出す。少し息苦しいのと、薪をとるために外へ出たり入ったりしているうちに完全に「蒸し豚」が出来上がったようだ。教わった通りにすぐ裏を流れるモスキートクリークから水を汲み簡易シャワーのタンクへいれる。シャワーからちょろちょろ流れる水で体の汗を流すととてもすっきり状態。

サウナと同様、ほったて小屋状態のベッドルームに入るとさっきのおばさんが寝ていた。このYHはベッドルームは男女の区別がないようだ。そばに有名な観光地があるわけでもなく、アイスフィールドパークウェイを行く人はほとんどが通過してしまう様な立地条件に建つYHである。今日の泊まり客は、このおばさんと自分の2人だけだし、男女を分けるほどの客が来ることはないのだろう。サウナで暖まった体を粗末な作りの2段ベットに横たえ深い眠りに入ったのであった。

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