カナダサイクリング

カナダサイクリング 詳細
1987年8月20日 木曜日 ロッキーの峠を越えバンフ国立公園へ


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走行ルート
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FieldKickinghorse峠Lake LouiesLake AgnesLake LouiesCorral Creek YH
天候
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晴れ時々曇り
宿泊先
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Corral Creek YH
走行データ
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走行距離:30km
支払い
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ホットドックCA$1.00
ハンバーガーCA$2.00
アイスクリームCA$1.00
Corral Creek YH宿泊費CA$5.00
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Field 10:00発
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川の向こう側に大陸横断鉄道が併走するs5tr
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川の向こう側に大陸横断鉄道が併走する
大陸横断鉄道VIAs5tr
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大陸横断鉄道VIA
標高差をループのトンネルで稼ぐSpiral Tunnels5tr
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標高差をループのトンネルで稼ぐSpiral Tunnel

ゆっくり準備をして気持よく出発である。昨日までの疲れもとれ天候もいい。今日はカナディアンロッキーを越えるのだが、ここフィールドの町自体かなり標高が高いのでそれほどは登らなくていいはずだ。

登坂車線も含むためか太い幅員のトランスカナダハイウェイ(国道1号線)を登って行く。途中にカナダ横断鉄道がロッキーを越えるために幾つものトンネルを抜け、8の字型にループを描いて登って行くのが見えるところがある。ここはスパイラルトンネルと呼ばれ、案内図が出ていて、皆車を止めて見ているので小休止する。

Kickinghorse峠 12:30着 13:00発
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不思議な形の山が見えるs5tr
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不思議な形の山が見える
踏切で見かけた貨物列車s5tr
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踏切で見かけた貨物列車
太平洋と大西洋の分水嶺s5tr
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太平洋と大西洋の分水嶺
水は1950kmで太平洋に流れ込むs5tr
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水は1950kmで太平洋に流れ込む
水は2550kmで太平洋に流れ込むs5tr
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水は2550kmで太平洋に流れ込む
Kickinghorse峠を越えるとAlberta州s5tr
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Kickinghorse峠を越えるとAlberta州

国道1号線から右斜めに分かれる旧道と思われるコースに入り、キッキングホース峠を目指す。途中カナダ横断鉄道の踏切につかまり、大型の貨物車が横切るのを見る。峠にはちょっとした休憩所があった。ここはブリティッシュコロンビア州とアルバータ州との州境とあって、大きな木が立っていて州の名が大きく入っていた。

峠の近くには少し看板があるだけの公園があり、小川が流れている。小川は人工的に整備されたと思われる小石で作られたルートをたどって2つに分かれていた。そしてそれぞれの看板には「太平洋へ1950km」「大西洋へ2550km」となっていた。要するに降った雨が2つの大洋へ分かれる分水嶺のまさに水の分かれる部分なのである。ちょっとやらせ臭い表示ではあるが、それに輪をかけて、「チェンジ・ネイチャー!!」と叫びながら片方に流れる水を手ですくい、もう片方に移しているおじさんがいた。

舗装状態は今一つではあるが、針葉樹林に囲まれ、国道とは違って車がほとんど通らない道をルイーズ湖へ向かう。

Lake Louies 13:30着 14:20発
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あまりにも著名なカナディアンロッキーのLouies湖s5tr
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あまりにも著名なカナディアンロッキーのLouies湖

ルイーズ湖の周辺には高級ホテルや品のいいロッジが多く、高級観光地に来たことを思い知らされる。宿泊施設の点在する道を登って行くとドドーンとルイーズ湖が見えた。コバルトブルーの湖自体はこの付近ではさほど珍しくはないが、背景の山と氷河の迫力に圧倒される景色だ。

ハイキングコースを歩いてアグネス湖を目指す。自転車をルイーズ湖畔の目立つ場所に荷物ごと放置。こんなところで汚い自転車の荷物をあさる泥棒などいないだろう。

Lake Agnes 15:30着 16:10発
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Louies湖から登山道を登ってAgnes湖へs5tr
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Louies湖から登山道を登ってAgnes湖へ
観光客に慣れきった動物s5tr
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観光客に慣れきった動物
Agnes湖でくつろぐ人々s5tr
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Agnes湖でくつろぐ人々
Agnes湖のティーハウスs5tr
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Agnes湖のティーハウス

ゆっくり登って50分ほどで森に囲まれた小さな湖に出た。ルイーズ湖の妹分のアグネス湖である。乗馬コースがあるらしく、馬に乗ったグループが湖畔にいた。

湖畔には、ログハウスのティールームがあり、観光客でにぎわっている。周囲はこの店の名物であるクッキー目当ての小動物でもにぎわっていて、観光客にもらったクッキーによって、まるまる肥ったシマリスがカメラに向かってポーズをとる。

景色を楽しみながらゆっくり下る。登ってくるときには見る余裕の無かったが、反対側の大きな山々との間に大きな谷が横たわる。これから数日この谷を走る道(アイスフィールドパークウェイ)を北に向かって登って行くわけだ。

Lake Louies 16:40着
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Agnes湖への登山道から見えるパノラマs5tr
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Agnes湖への登山道から見えるパノラマ

ルイーズ湖畔に置いてあった自転車を再びまたぎ、今日の宿泊予定であるコーラルクリークYHを目指す。YHの海外ハンドブックに記載された地図は例によっていいかげんで、詳しい場所はおろか、どのぐらい距離があるのかさえも見当が付かない。しかし、道が少ないので選択肢は限られている。

トランスカナダハイウェイと呼ばれる国道1号線は中央分離帯があり、日本でいえば山中の路肩の広い高速道路のような造りである。高速道路の入り口のような形で合流するところを見るとなおさら自転車が通ってはいけないのではないかと錯覚させられる。

国道と平行に走る旧道のような道を進んで行くとやがて未舗装になり、工事現場にさしかかった。見ると反射鏡の付いた安全服を着た女の子(年齢不詳)が手に赤色灯を持ち暇そうに交通警備をしている。目があったので道を尋ね、地図を見せるとこっちの方でいいよというような風で道を説明してくれた。説明の内容は半分ぐらいしかわからなかったが、方角は間違っていないようなので、ずんずん進む。

Corral Creek YH 18:00着
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トランスカナダハイウェイを横切るような形で反対側の支線(地図にはトランスカナダハイウェイの国道1号線に対して1Aと表記されている)を走って行くとやっとYHの看板が現れた。ここからは道を間違えるようなことはないので自信を持って進む。やがて右に曲がる看板に従い、道からそれて林の中に入る。100m程進むと山小屋風の建物が5棟ほど半径10m程の円形の広場を囲むように立っていた。

広場の中心部にはレーサージャージ姿で荷物を付けたロードレーサーに乗る細身の男が立っていて私を見るなり声をかけてきた。彼、デビットは雪駄をはいていて、私が日本人だと知るとしきりにこれはいいと自慢する。「セッタ」という呼び方を教えてあげると、しきりに「セッタ!セッタ!」と発音している。、

管理人の小屋に出向いて宿泊手続きをしようとすると、出てきた女性の管理人は後でまとめてやるからというようなことを言ってにらみつける。最初意味がよくわからず、何度も聞き返したのでいらいらしたようだ。後ほど始まった手続きの時に食事がとりたいというと食事は出せないときっぱり言われた。

デビットが、「ここは自炊ができるだけだ。なにか食事の材料は持っていないのか?」と親切に教えてくれた。材料を持っていないと言うと、レイクルイーズの町に出かける用事があるので買ってきて上げると言う。ハムやパンなどを適当に買ってきてくれと頼むと、彼は自転車をとばして行ってしまった。

彼はフィアンセに電話をするのが旅先でも日課になっているという。戻ってきたので代金を払おうと財布を見るとこまかいお金がない。彼はこれはプレゼントするからお金はいらないと言って私の差し出す紙幣を受け取らない。しょうがないのでお礼を言っていただくことにした。もちろん食事の時には材料を彼にも分けてあげ、後かたづけはすすんで彼の分もやらせてもらった。

食後は色々な人と話をして情報交換を行う。日本人のバックパッカーも1人いたが少し話をしただけで、主にアメリカ合衆国から来たという人々といい加減な英語で色々な話をした。コンピュータ関連の部品を造っているインテルと言う会社でデバイスの設計をやっているというサイクリストがいて話が弾んだ。仕事柄詳しいコンピュータの話になると、別の言語を話す異国の人ではなく、同じ専門用語を話すコンピューター共和国民同士になってしまうから恐ろしい。話の内容がわからないデビットは、たまらず何の話をしているのだと問いかけ、我々を異国の人のような目つきで見たのであった。

寝室に戻ると今度は同室の人と話が弾んだ。みんな世界中から集まっていて、フランス,スイス,カナダ東部から来た人は3人とも共通の言語であるフランス語で話をしている。英語だけが世界共通の言葉ではないことを認識させられる。

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