小休止の後、ちょっとしたコーナーを曲がったところでカラスの大群が。いや、よく見ると日本の女子高生の団体が山羊などの野生動物を間近に見てキャッキャと歓声を上げているのだ。自転車を止め唖然としてみていると、引率の先生らしき人が話しかけてきた。なんでも私立の女子高校でカナダの姉妹校にサマースクールで来た帰りに観光をしているそうだ。最近の高校生は海外までかと驚いていると、「大学生ですか?」との質問で反撃されてしまった。
パーカーリッジと呼ばれる尾根(きっとこの尾根の反対側ではコロンビア大氷原から流れ落ちるサスカチュワン氷河を見ることができる)を左手に見ながら標高2,000mを目指す。直線的に登る道はとてもきつく、軽いギアをいくら回してもなかなか前に進まないという感じ。自動車もたくさんの排気ガスを出してあえぎながら登って行く。標高2,000mのパーカーリッジへの登山口をすぎるとずいぶん楽になった。
峠まであと2kmの地点で谷が開け、広々とした景色が広がってきた。あの向こうに見えるのが峠かと思いながらひたすらクランクを回す。2,000mを越える標高のためか今までの森に囲まれた風景とは異なりずいぶん木々が少なく荒涼とした風景になってきた。もう峠は近い。
広々とした丘の頂上といった景色のサンワプタ峠に到着。峠にはカナダの楓のマークの入った大きな看板がジャスパー国立公園とバンフ国立公園の境目であることを表示している。