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昨日の夕食のあまりで豪華な朝食をすませ、チェックアウトをして出発する。町をでるとすぐにきつい登りになった。必死で登っていると、ダーレへの通勤なのか、歩いて下ってくる地元の人と何人かすれ違い、会釈をかわす。 非常にきつい登りなので、地図上でなかなか距離が進まず、いらいらする。昨日ダーレの町に泊まったおかげで今日はさすがに時間があり、休み休みゆっくり走り標高を徐々に上げる。 地図で見ると川沿いにいくつかの小さな湖を通って行くように見えるが、実際は切り立った崖を削って道を作ったような感じのところを通り、谷を流れる川がかなり低いところに見えるようになる。 |
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急勾配の道をきつい思いをして登って行くと、前方に地図にはないダムが見えてきた。当然の様にダム湖の沿岸に達すると道はいきなりフラットになり今までの登りが嘘であるかのようにハイペースで走れるようになる。どうせまたすぐに次の登りが始まるのであろうと諦めて、小さな川沿いに走っていると手前でちょっと登っただけで大きな湖に着いた。 地図で確認すると最高地点に近い湖で、もうピークの高さに達しているようだ。段々強くなってきた向い風に逆らい湖沿いの道を快走する。 |
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この付近は羊毛の産地らしく、羊の牧場が多い。放し飼いにしているのか、逃げ出したのか、道路にも羊がいて、自転車を見るなり一目散に逃げ出す。自転車を止めて腰を落としてじっとしているとリーダー格の羊のあとにゾロゾロついて羊が数匹こちらにむかってきた。こちらが動いてさえいなければ恐怖を感じないのであろうか。写真を撮って羊に別れを告げて走り始める。 大きな湖を過ぎて、少し上流にある小さな湖に達したところで、小さな峠が前方に見えてきた。峠からは工事中で舗装が切れ、少し走りにくかったが程無く舗装路になり、それほどの角度ではないが、快適な峠の下りを楽しむことができた。 |
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例によって下るに連れ角度が増し、もともと予定のコースであった道が、かなり下に見下ろせるところまで下ってきた。この付近からは、ヴォスの町に接するバネット湖が日差しを受けキラキラ光るのが見えるなかなかの眺めだ。 一気に下りきり、鉄道沿いの道に合流してヴォスの町を目指し走っていると、ヴォスの町中にあると思っていたYHが道沿いに現れた。周囲には建物が少なく、バネット湖岸の素晴らしいロケーションに建つ立派な建物だ。 早速チェックインをする。部屋を日本人と同室にしてくれたらしく、タナカと言う人と一緒の部屋だ。部屋に荷物を入れ、ロビーでコーラを片手に観光パンフレット等をみながら休憩した後、ヴォスの町に向かって身軽になった自転車を走らせる。 ヴォスの町で観光をしたりバネット湖沿いの芝生で寝ころんだり土産を買ったりしてのんびり過ごす。ヴォスは山中にある小さな町だが、かなり歴史のある町のようで、1200年代に作られた当時としては珍しい石作りの教会があったり、日本にある高床式風の古い建物が保存されていたりする落ち着いた感じのする町だ。 |
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夕食をどうしようかと思いつつ、YHに向かう途中にあるヴォス駅に立ちより、カフェでコーヒーとアップルパイを食べる。日本人がカフェのカウンターに現れ、食事を注文して席についたので、「もしかしたら田中さんではないですか?ご一緒してもよろしいでしょうか?」と声をかけた。思ったとおりYHで同室の日本人であった。 田中氏はちょっと年下の社会人で、10日程の夏休みとってノルウェーを旅している。私の予定と大体同じコースをバスでたどってきているようで、オンダルスネスからガイランゲルを通ってベルゲン向かう途中だそうだ。似たような境遇でもあり、一緒に食事をしながらいろいろ旅の話で盛り上がった。 |
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田中氏と一緒にYHへ戻ると、もう一人日本人が同室であった。学生の彼はアイルランドのダブリン等あまり日本人の行かないところまでまめに行って来たそうで、3人で旅の情報交換で盛り上がった。このYH自慢のサウナ風呂で体を温めて、床についた。 |