ノルウェーサイクリング

ノルウェーサイクリング 詳細
1991年9月7日 土曜日 観光シーズンが終わりフィヨルドを渡るフェリーの少なさに愕然とする


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走行ルート
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Valldal(モーテル)LingeフェリーポートEidsdalフェリーポートGeiranger
天候
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雨のちくもり
宿泊先
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ガイランゲルの民宿
走行データ
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走行距離:20km
支払い
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長袖シャツNOK159.00
手袋NOK31.00
TシャツNOK75.00
単三乾電池(4本)NOK46.10
民宿宿泊料金NOK150.00
ユニオンホテルにて夕食NOK240.00
バイキング料理
ビール
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Valldal(モーテル) 10:10発
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朝起きると小雨が降っている。時間をかけて出発の準備をしていてもやむ気配がないのであきらめて出発する。これから小さなフィヨルドをフェリーで渡るため、フィヨルド沿いに走り、すぐとなり町のフェリーポートに向かう。

Lingeフェリーポート 10:20着 11:20発
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Eidsdalへ渡るフェリーs5tr
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Eidsdalへ渡るフェリー

10分もしないうちにフェリーポートの看板が見えてきた。道を斜めに入ると大きな駐車場があるフェリーポートに着いた。管理人の詰め所のような建物に貼ってある時刻表を見ると次の便はなんと1時間後である。フェリーは夏の観光シーズンが終わり9月に入ると便数が半減するようだ。どうりで周囲にはフェリーを待つ車が一台もない。

閉め切った売店の軒先に自転車を止めて時間をつぶす。だんだん時間がたつと、ぽつぽつフェリーに乗るために車が集まってきた。

やっと小さなフェリーに乗り込めた。たった10分程の船の旅であるが、1時間も待ったので感慨もひとしおである。チクショウ。

Eidsdalフェリーポート 11:35着
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フェリーポートにある大きな雑貨店で、持ってこなかった手袋や長袖のシャツなどの防寒具を買い込む。なにせTシャツ以外は薄手のトレーナー1着のみなので、今後こんな気候ではもちそうにない。

小雨の中を走りだすと、思っていたよりも早く登りがきつくなってきた。これからフィヨルドとフィヨルドの間の陸地を横切り峠を越えガイランゲルの町に向かう。つづら折れの道を登っていると、下に今さっき走ってきた道を昨日のサイクリストが2人登ってくるのが見える。

彼らのペースは例によって早く、程無く登りのきつさに休憩している私に追い付いた。次のフェリーがもう着いたのかと尋ねると、昨晩こっち岸のキャンプ場に泊まったのだと言っていた。

先に行く彼らを見送り、マイペースで登る。お腹がすいてきたが、ピークのちょっと手前の池まで何とか頑張って行こうと登っていると、雨が本格的になってきた。道路も予期せぬダートに変わり、泣き面に蜂状態である。

ダートの登りに苦しんでいると後ろからバンが追越して停車した。車の窓から出た顔は見覚えのある2人。オスロのYHで一緒だった日本人だ。オスロであった時に、ガイランゲルフィヨルドに行ってみたいと話していたのを思い出した。彼らは昨日、オンダルスネスYHに泊まったので、ガイランゲルに向かった日本人サイクリスト(私)のことを聞いていたそうだ。

空腹と雨とダートの登りでへとへとになった私にとっては、悪魔(天使?)のささやきが彼らからあった。「辛そうですね。乗って行きませんか?」。彼らの乗るバンは、昨日すれちがったオンダルスネスYHの連中が乗っていたのと同じもので、後部には自転車が余裕で乗せられる。先行している2人のサイクリストの手前もありためらったがピーク近くの池まで乗せてもらうことにした。

池に着いたが、雨がひどく車の外に出られず、パンをもらって空腹をしのぎながらよもやま話に花を咲かせる。池の付近はフラットなせいか雨による水溜がひどく、とても走る気にならない。ピークまでもう少しあるので、道の状態がよくなるところまで乗せてもらうことになった。

Geiranger 11:35着
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Geirangerフィヨルドs5tr
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Geirangerフィヨルド
Geirangerフィヨルドの港s5tr
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Geirangerフィヨルドの港

ひどいダートのきつそうな登りを過ぎ、トンネル出口にいた 2人連れサイクリストに声をかけてピークに着くと道はダートを抜けた。車の止めやすいところを探しているうちにガイランゲルフィヨルドの展望台に着いてしまった。3人は車から降り、雲が垂れ込め神秘的なたたずまいのガイランゲルフィヨルドを眺める。

自転車を降ろし、お礼を言い別れを告げ、さきほど下って行った2人連れサイクリストを追うようにガイランゲルの町に向かう。ガイランゲルの町のバス停の所でサイクリストが時刻表を眺めてうかない顔をしている。もう観光の季節が終わったのでガイランゲルフィヨルドが見下ろせる有名な観光スポットであるダールスニッパ展望台に向かうバスはないとのことだった。海抜0mのここからはとんでもなく高く登ることになるので、これから自転車で登るのであればよほどの覚悟でないと無理である。彼はバスを使うことを考えたようで、かなり残念がっていた。私はここで一泊し、明日時間をかけて登るつもりだ。

バス停の正面にある売店でチョコレートなどを買い込み、空の腹に流し込む。展望台はあきらめフェリーで移動することにした彼らを手を振って見送る。まだ早い時間にもかかわらず、天候のせいで薄暗く、夕方の様な感じがしてとても寂しい。ガイドブックに掲載されている安宿を探そうと脇道に入ったところで、自家用車に乗ったフランス人らしきアベックになれなれしく話しかけられた。「今日はどこに泊まるんだい?俺たちはキャンプ場のロッジに泊まるんだけどここなかなかいいぜ!」とか言っているようだ。いい民宿があるのでこれから行くところだと言って別れた。

なれなれしいフランス人と別れて脇道に入って行くと、さっき乗せてもらった日本人のバンが展望台から戻ってきて私の後を追ってきた。展望台はもう閉まっていたそうで残念がる彼らと名前と連絡先の交換をして、もう一度しっかりお礼を言って別れた。

ガイドブックに掲載された宿らしき建物に行当たったが、呼んでも誰も出てこない。あきらめて来る途中に見かけた民宿に泊まることにした。質素な作りだが部屋の窓からガイランゲルフィヨルドが見えるなかなかのロケーションだ。

Union Hotel(夕食)
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知り合ったフランス人カップルと夕食s5tr
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知り合ったフランス人カップルと夕食

観光シーズンの過ぎた現在、唯一食事の出来る所であるユニオンホテルに向かうため、着替えて宿を出た。ホテルは展望台の方に少し登ったところに有り、かなり高級なホテルであった。フロントで恐る恐る食事がしたいと言うと、レストランの夕食の準備が整うまで、あと30分程あるとのこと。

ホテルの周りを散歩がてらにうろうろしていると、またさっきのフランス人アベックの車が止まって話しかけてきた。彼らも夕食に来たそうで、時間を教えてあげると、あとで一緒に食事をしようと私に告げて走り去った。

レストランの準備が整ったので、ちょっとしたドライブから戻った彼らと一緒に席に着く。メニューの内容はよくわからないが、ホテルの高級感と釣り合った料金のようだ。彼らも同感のようで、同じ高いのであれば、店の人の勧める(日本で言う)バイキング料理はどうか、という話になった。どんな内容であるかを見に行くと、土地柄、海老やカニなどの高級な魚介類はもちろんのこと、ステーキ等の暖かい肉料理ももりだくさんで、ケーキやデザートを含め全てのものが揃っているという感じだ。3人は顔を見合わせてうなずき、それにすることに決まった。

あまり欲張らず、メインを決め、サラダやパンと共にバランスよく食べ始めるが、そんな上品な食べ方は最初だけ。中盤以降はビールをお代わりして、わけのわからない食べ物を少しづつ取ってきて平らげるというパターンで苦しくなるまで食い続けた。一人旅であるのと、食文化の違いや、物価高のために自粛気味の食生活が続いていたが、今はやかましいハイエナと化している。味に関しては大味の物も多く、全て日本人好みの味と言うわけには行かないが、まあまあ満足出来るものであった。

フランス人アベックの名は男性がステファンで女性がアネットという。実は彼らは昨日正午ごろに滝の見える(はずの)展望台で会っているのである。雨の中で私がスイス人アベックサイクリストと間違えて挨拶したのは彼らであった。はずかしながら、なれなれしく話しかけてきた理由がやっとわかった。彼らに確認すると、なんだ知らなかったのかというようなリアクションで呆れていた。彼らはノルウェー第2の都市ベルゲン(私の今回の旅の最終目的地)でレンタカー(ステファンお気に入りのミツビッシ)を借り、ノルウェー南部をくまなく回っているそうだ。一緒に彼らのロッジに行き、地図を見ながら旅の話をすることになった。

ロッジで話をしているうちに、明日は一緒にダールスニッパ展望台に行くことになった。自転車を車のトランクに乗せ、展望台まで登ってくれるというので、お願いすることにした。ちょっと情けないと思ったが、今までの天候と道の状態を考えると、開き直るしかななさそうだ。

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