うとうとしながら車窓越しに景色を眺めていると、列車は地下に入り込んだ。もうすぐ空港に着くのかと思っていたら、なかなか到着しない。ようやく駅の明りが見え、成田空港駅に到着した。
京成線成田空港駅は開業して間がなく、とてもきれいである。同時に開業したJRの駅とはホームが隣合せで、双方とも先頭に向かい階段を登ると改札と簡単なチェックのためのカウンターがある。
改札を抜けると空港らしく荷物用のワゴンがあるので、早速パックした自転車を乗せて、チェックを受ける。
チェックインまで時間があるので、朝食を食べにターミナルビルの上の方の階に上がる。ここの食堂は空港関係者が多く利用するようで、庶民的な値段の軽食が多い。離発着する飛行機を眺めていたら、外国人の女性にに5円玉を見せられ、これはいくらかと聴かれた。そんなことを聴かれるのは意外であったが、確かに5円玉だけは算用数字で金額が書かれていないのでわからないのも無理はないと思った。
自転車のパックを少し開き、タイヤの空気を少し抜いて自転車を預ける準備をする。搭乗開始2時間前に余裕で9時半頃チェックインを済ます。
前回の海外サイクリングと同様、海外旅行保険に加入する。見知らぬ土地に向かう前のちょっとした心の支えである。
のんびり椅子に腰掛けていたら、もう搭乗開始時間に近い。急いで出国手続きに向かうためエスカレーターを降りる。出国カウンターは予想以上に混んでいて、あせって並ぶがなかなか順番がこない。周囲では空港関係者が無線を使い、搭乗に間に合わない乗客を確認している。
ようやく出国手続きが済み、免税店には目もくれず、サテライトへ急ぐ。まだ搭乗が始まっていないのでほっとする。
11時20分頃搭乗が開始された。乗機率ほぼ100%にも関わらず、となりの席が空いているので、11時間の長時間フライトではあるが少しは楽に過ごせそうだ。空席を挟んでとなりの人とそういった話を少しする。
最近、ソ連の領空を飛ぶことが容易になったため、ヨーロッパ行の便は以前のようにアラスカのアンカレッジ空港でのジェット燃料の給油をせずに直行するようになった。これによって、6時間程の時間短縮になったようだ。