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バスでの移動のため6時に起床して自転車をパックする。朝早くから野良仕事の準備のために起きているYHのおじさんに挨拶をする。このYHは農家も兼業しているようだ。 スクールバスが子供たちを乗せていくのをレストランの窓越しに見ながら、バスの時間までにパンとコーヒー,ハム,チーズといったノルウェーではよくある朝食を取る。昨日の夜に朝食の時間を早めてもらったので、バスには余裕で間に合いそうだ。 バス停は町の中心であるロータリーにある。ようするにYHの真正面だ。バス停にはバスを待つためにすでに4人ほどの人が来ていた。バスを待つ間に昨晩書いた絵はがきに切手を買って張り投函するため、すぐそばの郵便局が開くのを待つ。開いた郵便局の局員さんに日本までのはがきの料金を確認して、数毎の切手を購入すべく代金を渡したところでバスが来てしまった。彼にそのことを伝え、はがきを渡して投函してもらうよう託してバス停に戻り、自転車をバスのトランクに入れ、乗り込む。 バスは自転車で走る予定であったU字谷を走って行く。曇ってはいるがよい景色なので、走れなかったことを悔やみつつ、窓から景色をじっくりと眺める。 |
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例によって降ったり止んだりの雨の中、バスはフォーデというそこそこ大きな町に着いた。ここで10分ほど停車。何人かの人がバスに乗り込んできた。夏休みを終えベルゲンの学校に戻るのか、大きな荷物を持った女の子がコーラのビンを持って乗ってきた。 乗客が3割程に増えたバスは、細長い湖や森を抜けて世界最大のフィヨルドであるソグネフィヨルドの沿岸に達した。 |
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例によってここでもフェリーでフィヨルドを渡る。乗客全員がフェリーに収まったバスから降りて船のラウンジになだれ込む。 |
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ベルゲンに着いた。久しぶりの大きな町だ。バスターミナルで自転車を組み立てそのまま町にこぎ出す。 |
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町が一望に見渡せるフロイエン山に登るため、ケーブルカーの駅に向かう。駅前小さな広場のすみに自転車を留めて、一応鍵をかけてケーブルカーに乗り込む。 |
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途中二つの駅を過ぎてフロイエン山の山頂についた。曇ってはいたが、ベルゲンの町と周囲を取り巻く海が一望に見渡せるロケーションだ。 ここまでは車道もあるようで、ロードレーサーで登って来ている人も見かけた。時間があったので、自転車で登ってくればよかったと少し悔やむ。 |
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例によってブックマークや絵はがきなどのかさばらない土産を買いあさり、フロイエン山を後にする。周辺を自転車でうろうろしたあげく、ファーストフードの店でハンバーガーやポテトなどのセットを食べて夕食とする。 鬱蒼とした林の中を抜けて、ベルゲンYHに向かう。予定していたルートより低いところに位置する道へむかって下っていってしまったために、斜面にある公園を横切り、いらぬ登りをするはめになった。 |
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小雨の降る中、閑静な住宅地内の道を登り、さっき登ったフロイエン山よりずっと高いところにある展望台に登るロープーウェイの駅を過ぎて少し行くと、さっきフロイエン山に登ってきていたロードレーサー2台におい抜かれた。彼らが入っていった建物がYH ではないかとの期待をこめて、駐輪場にいる彼らに尋ねると、脇の道を登って、丘の上にあると教えてくれた。軽自動車がぎりぎり通れるぐらいの道幅の急勾配の道を押し上げる。 ベルゲンYHはベルゲンの町が見下ろせる丘の上に位置していた。急坂を必至で登りきり(押しきり)、YHの敷地をぐるっと回り込んで元気よく入口に走り込んだ。他の自転車同様、軒下に自転車をとめて受け付けに向かう。 受付の手続きをしていると、青年が入ってきて、YHの人と何やら話したあげく、荷物を渡している。よく見るとサドルバックに着けていた私の輪行袋だ。YHの入口の段差での振動で落としたようで、たまたま通りかかったその人はYHに用もないのに親切に届けてくれたのだ。「タック!テゥーゼンタック!!」(ノルウェー語で、ありがとう。本当にありがとう。という意味)とたどたどしく叫んで感謝の意を表すと、彼は軽く手をあげて去っていった。 |