アイルランドサイクリング

アイルランドサイクリング 詳細
1998年5月18日 月曜日 念願のアイルランドへ上陸


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走行ルート
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Fishguard Harbour駅Rosslare HarbourWaterford駅Cork駅Killarney駅Killarney国際YH
天候
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晴れ
宿泊先
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Killarney国際YH
走行データ
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最高時速:36km/s
積算距離:3844.6km
走行距離:24.76km
走行時間:2時間11分48秒
平均時速:11.2km/s
支払い
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フェリー運賃(Fishguard Harbour駅〜Rosslare Harbour駅)UK£20.00
単4電池(4本入り)UK£2.94
ギネスビールUK£1.80
コーヒーUK£0.90
両替GB£73.00→IR£81.67(為替レート1.1187)
両替手数料UK£2.00
鉄道運賃(Rosslare Harbour駅⇒Waterford駅)IR£6.00
バス運賃自転車持ち込み料金含む(Waterford駅⇒Killarney駅)IR£13.00
エリアガイド(3枚)IR£4.50
5万分の1地形図(5枚)IR£21.00
ホームレスへ恵むIR£2.00
Killarney YH宿泊料IR£6.50
Killarney YHシーツレンタル料(デポジット£1.00含む)IR£2.50
半ズボンIR£9.95
CitiCardによる現金引出しIR£-200.00
Diet CokeIR£0.50
夕食(ファーストフード店)
ケバブ(ラム)IR£2.95
ポテトIR£1.00
コーヒーIR£0.80
ミネラルウォーター(Killarny Springs)IR£0.80
洗濯機使用料金IR£2.00
乾燥機使用料金IR£2.00
7UpIR£0.50
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Fishguard Harbour駅 00:53着 03:15発
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スオンジー駅を出た列車はフィッシュガードへ予定通り到着。荷物車から自転車をおろし、とぼとぼ歩いて行くと、プラットホームと平行にフェリーのための待合室があり、10人ほどの人が乗船を待っていた。待合室の奥の窓越しにフェリーが停泊しているのが見える。かなりの大きさのフェリーだ。待合室の一角にあるフェリーのチケットカウンターでチケットを購入し、一安心。大きく予定は変更された物の、これで念願のアイルランドに渡ることが出来る。

1時間ほど経ったところで、待合室からフェリーに向かう部屋への扉が開いて、受け付けが開始された。自転車を転がして、列の最後に並ぶ。入り口ではなにやら書類のやりとりを行っているので、パスポートを見せるのかと思っていたら、チケットを渡し、乗船券や、いくつかの書類を受け取るだけだった。扉を通り抜け、前の人の行く方向に行こうとすると、係員が私に向かって手招きをするので付いて行くと、部屋の外につれて行かれた。自動車と同じ所から乗船しろとの指示だ。国内外を問わず、今まで乗ったことのあるフェリーは全て同じである。ところどころ照明が眩しく輝き、関係者が作業する中、船に入って行くと、係員が駐輪場所を指示してくれた。付属のロープと、自分の持っているベルクロテープで船の揺れで倒れないように固定する。

船室に上がるためにエレベータにトラックの運転手達と乗り込むが、このエレベーター、我々のオペレーションがわるいのか、故障しているのか、いっこうに目的の階に上がっていってくれず、何度か振り出しに戻った。一緒に乗り込んだ人たちも呆れていたが、なんとか船室に上がることが出来た。

このアイルランドに渡るフェリーは、国際線なので、両替カウンターや免税店もあり、ディスコもある大型の物だ。早速、手持ちのイギリスポンドを、アイルランドポンドに両替する。他にもバーや、レストラン、映画館など、いろいろな物があるようだが、あまり乗客が多くないせいか、営業しているのかどうかよくわからない。免税品店で、いろいろ見て回ったあげく、ICレコーダー用の切れた電池だけを買い求める。船内をうろうろしている内に、フェリーは岸壁を離れて出航したようだ。4時間にも満たない航行時間だが、バーでギネスビールを買い求めて飲む。ギネスというのはこんな味だったかなと、少々首を傾げつつ、アイマスクと耳栓をして、他の人に習って、横になり仮眠を取る。

Rosslare Harbour 06:55着 07:15発
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念願のIrelandに上陸s5tr
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念願のIrelandに上陸

決してすっきりといった感じではなく、何となく目覚め、窓の外を見ていると、どんよりとした雲がたれ込んだ空の下、アイルランドの大地が見えてきた。小銭をかき集めて、目覚ましのためにコーヒーを買い求めて飲む。

ロスレア港に接岸し、下船のアナウンスが流れたので、自転車を止めている所に降りて、おそるおそる船の外に出る。すでにトラックなどは出発してしまったのか、静かだった。予定外のルートでアイルランド入りしたこともあり、ここからどのように鉄道の駅にアクセスするのか全く不案内だ。フェリーと平行に列車が一編成止まっているが、全く人気がないところを見ると、引き込み線のようだ。あまり乗り換えの時間がないはずなので、少々焦る。その引き込み線に繋がる位置に駅はあるはずだと、走ってゆくと、頭上に橋があるのが目に入った。どおやら、フェリーターミナルと駅を繋ぐ歩行者用のルートのようで、その先にあるのが鉄道の駅だと想像することができた。見つけたホームとほぼ並行に走り、先頭からホームに上がり込むと、止まっている列車には客が乗っていて、駅員がうろうろしている。目的の列車に間違いない。駅員の指示に従い、荷物スペースに自転車を乗せる。しかしこのディーゼル機関車とそれに引かれる列車はとても貧弱で薄汚れた物で、到着していきなりアイルランドのイメージが崩れそうになった。

結局6割ほどの乗客を乗せた列車は、ロスレア港の駅を出発した。ここから何度か乗り換えれば、サイクリングを始める予定であるキラーニー駅に行けると思ったら、これもまた大間違い。小太りの車掌さんが来たので、キラーニーまでの切符を買い求めようとすると、はこの列車はウオーターフォード駅行きなので、そこからバスに乗り換えなさいと言う。よく時刻表を見ると、バスのマークが書かれていた。今度は、時刻表の見間違いだったようだ。

低木が生えているだけで、他には何にもない平地を、列車はのろのろと走ってゆく。雲の間から日が差してきて、天候は良くなってきたものの、とても物寂しい景色に見える。ふと近くの座席の人を見ると、フェリーに乗船するときに手渡されたカードを手に持っている人がいる。その人も同じフェリーで来た人であることは間違いないが、何故、乗船するときにもらったカードを手に持っているのだろう。私のカードを見てびっくり。これは入国時に提出する入国カードだ。私は、イミグレーションらしき所は全く通らず、アイルランドに入国してしまったのだ。自分の行動を回想しながら、間違いがなかったことを確認し、アイルランドからの出国時に問題になるのではないか、などと心配をする。近くの人が無記入のカードを手に持っているところを見ると、やっぱり入国時のイミグレーションなどは無かったのではないかと安心したり、いいや、彼はアイルランドの人だから、提出する必要がないのだ。待てよ、それではどうして手に持っているんだ?とか、いろいろ考えてしまう。

Waterford駅 08:40着 09:00発
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こんなに何もないような土地に見えるが、途中のとても小さな駅から学生らしき若者が乗り込んでくる。彼らの内の1人の女性が私と同じボックス席のテーブルを挟んで正面に座った。宿題なのか、なにやら紙を広げて考え込みだした。機械の図面である。何の機械かまでは解らないが、それなりに複雑な物だ。沿線に工業高校か専門の大学でもあるのか、列車内は若者が大勢出入りするようになり、立っている人もいるほどになったところで、終点のウオーターフォード駅に到着した。

列車を降りて、小さな駅舎から出ると、そこがバスターミナルだった。ここからコーク、キラーニーを通るトラリー行きのバスは利用客が多いらしく、トラリーと書かれたバスは何台も止まっている。アイルランドにはバスエーランというバス網が発達していて、列車の少ないシーズンオフには、それを使うしかないと聞いていたが、鉄道のメジャーな路線のみの利用予定だったので、実際にそのバスを使うことになるとは予想外であった。

切符売り場で、自転車の分も含めてキラーニーまでのチケットを買おうとすると、なにやら、バスの荷物室が空いているかどうか見てこいとのこと。トラリー行きのバスは3台ほど有るので、どのバスになるのか良くわからないが、どのバスも特に荷物室がいっぱいというようなことはないようだ。窓口に戻って、「OK」を連発してこんどこそチケットを購入する。すでに1台のトラリー行きバスが出ていったが、他のバスも乗客が乗っているし、運転手ものんびりしているのでまだ大丈夫なようだ。乗客の量に合わせてバスの本数を増減しているのだ。チケットを見せて自転車を荷物室に入れてもらい、バスに乗り込む。ほとんどの乗客が観光客のようで、中には観光地図など広げている人もいる。程なくほぼ満員となったバスは出発。このバスに乗って入れば、今度こそ、目的地であるキラーニーにたどり着けるはずなのだ。カロリーメイトをバッグから取り出し、朝食としてかじる。バスは、そこそこ大きなウオーターフォードの町中を通り抜け、コークへ向かう郊外の道を走る。

Cork駅 11:10着 11:50発
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バスはコークの駅前のバスターミナルに到着した。ここには、沢山のバスが出入りしていて、ほとんどがこのバスと同じバスエーランである。休憩時間が過ぎて、みなバスに戻ってきたが、いっこうに出発する気配がない。バスの運転手は乗客に向かって、他のバスの到着を待っているようなことをジョーク混じりで説明している。

30分ほど経って、目的のバスが来たのか、それとも予定変更したのか、他のバスに乗り換えるとの指示。外に出て、置いて行かれてはかなわないと、大急ぎで、荷物室から自転車を取り出し、乗り換え先のバスの荷物室に詰め込む。

結局40分ほど待たされて、コークを出発。本来の予定では、スオンジー発のフェリーでコークに朝着いているはずで、ここで自転車を組み立てて走っていたかもしれない。そのコークからキラーニーへ向かう道を、バスはひたすら走ってゆく。殺風景な景色が続き、おもしろそうなコースとは言い難いが、西南海岸に近づくにつれ、山が見えてきて、自転車乗りの心をくすぐりはじめた。

Killarney駅 13:25着
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バスはついにキラーニーの町に入り、駅の近くの道端に停車した。私の他、多くの乗客が降りる。とても良い天気で、暑い。自転車を荷物室から取り出して、小さな公園のようなスペースまで担いで移動して自転車を組み立てる。

とにかく、ここまでの道中色々あったが、第一目的のリング・オブ・ケリー(ケリー周遊道路)の起点の町、キラーニーに着くことができた。宿に向かう前に、サイクリングに於いて自転車の次に大切である地図を入手するべく、町のインフォメーションに向かう。ガイドブックの地図を頼りにインフォメーションを探すが、どこか他の場所に移ったようで、移転案内が出ている。この案内を見ても移転先がどこなのかよくわからず、うろうろしていると、50歳ぐらいのサイクリストを発見。挨拶をして、インフォメーションを探していることを伝えると、すぐ近くなので、一緒に行こうと連れて行ってくれた。町の中心部からちょっとだけ裏手の再開発地帯のこぎれいな建物にインフォメーションはあった。

そのサイクリストにお礼を言って別れ、さっそく中に入り地図を物色する。5万分の1の地形図があった。英国と同様、国が発行している物で、日本円で800円ぐらいするが、多色刷りで、精度も高く、範囲も広く、ビューポイントや、YHの場所も明記されてるなど情報も豊富。残念ながら、品切れの区画があり、予定しているコースの全ての場所の地図を入手することはかなわなかったが、他に観光地図も合わせて、購入。まずまずの出だしだ。すぐ近くの土産屋を覗くと、同じ地図が置いてあった。やはり未入手の区画は品切れだ。こうなったら、しらみ潰しにと、他の店を覗く。ついに、小学校などで使う教材を沢山置いてある文具店で、残りの地図を発見することができた。これで、サイクリングの準備は万全である。

インフォメーションの向かいには、大型のショッピングセンターがあり、とても広い駐車場がある。その一角にある公衆トイレで用を足して出てくると、1人の地元のおじさんに声をかけられた。今日は天気がいいが、夜は冷えるなどと言っているので不思議に思っていると、ここ(トイレの建物の軒先)に寝泊まりしているという。要するにホームレスだ。この地について、最初の地元の人とのコンタクトであり、あまりにも調子よく話しかけられたので、彼の要求に応じて£1恵んでしまった。そしたら、もう£1くれと言う。手慣れた物で、結局日本円で400円ほどを恵んだことになる。彼は、十字架を切って、神様うんぬんブツブツ言いながら、にっこりと私にお礼を言った。

Killarney国際YH 15:20着 16:10発
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Killarney国際YHs5tr
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Killarney国際YH

地図を一通り入手したところで、今日の宿泊予定であるキラーニー国際YHに向かう。このYHは町からそれなりに離れていて、町の中心部からだと徒歩で行くには無理な距離だ。しかし、リング・オブ・ケリーの途中にあり、ダンロー渓谷という観光地に向かう途中なので、サイクリストにとっては、決して悪い立地条件ではない。町の出口の交通量の多い交差点を通過し、道幅は広いが、お世辞にも良いとは言えない簡易舗装のような道を走って行くと、だんだん両サイドの緑が深くなってきた。自動車の交通量はとても少ないが、かなりのスピードを出して走っているので、少々危険を感じる。Y字路があり、地図を確認するまでもなく、たくさんある案内板の中にYHのマークがあった。このY字路を右に入ってすぐの所にキラーニー国際YHの門があり、広々とした敷地の奥に立派な建物が見えた。砂利の敷かれた道を押して建物まで行くと、入り口に女性が立っていたので挨拶。このYHのスタッフのようで、泊まりたいことを告げると、すぐに受付をしてくれた。

部屋に落ち着き、食堂など見て回った後、貴重品と最低限の荷物を持って、再びキラーニーの町へ向かう。持ってくるのを忘れた半ズボンと、夕食を取るためだ。繁華街に到着したが、普通の衣料品店が見あたらないので、いくつかのスポーツ用品店をまわるが、それなりのスポーツ専門の半ズボンばかりで、部屋着として気軽に使えそうな物が見つからない。あちこち回ってやっと、小さな店が沢山入った雑居ビルの中に普通の衣料品店を見つけた。衣類が無造作にいれられた段ボール箱の中に、半ズボンを見つけて購入した。その後ビルの壁に埋め込まれたキャッシュディスペンサーからCitiCardを使って現金を引き出した。これから銀行なんかまず無いような所を走るので、多めに引き出しておく。さて次は夕食だ。昼食もろくに食べていないので、それなりに空腹だ。まだ旅の始まりで慣れていないこともあり、なかなかちゃんとした店に入る勇気がない。結局、ファーストフードの店で夕食を取る。1人で食べるつまらない夕食は、時間と空腹感を無駄したような気がしてならない。

Killarney国際YH 18:50着
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少々雨がぱらついてきた。まだ時間はあるが、早々に引き上げるべく、すでに3度目となる道を走ってYHに戻る。地下のランドリールームで溜まった汚れ物を洗濯し、乾燥機にかけ、念願のリング・オブ・ケリーのサイクリングの準備万端である。

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