フォールダー・フォーラムの会場であるウインター・ガーデンに戻ってきた。早速、預けてあった愛車を受け取り、会場の外で組み立てる。我が愛車のアレックス・モールトンは、この会では知られた自転車で何ら珍しい物ではないが、見慣れない形の袋が珍しいのか、数人の人に取り囲まれてしまった。いいや、公共交通機関に完成車のままで乗せることの出来るこの国で、なぜパッキングしてあるのか不思議に思ったのかもしれない。
ウインター・ガーデンは、ちょっと昔の小学校にあるような、体育館のようなホールがあり、メーカーやショップや、サイクリング協会のような各種団体がブースを出している。リンダさんがお手伝いをしている受付で、参加費を支払って、参加記念バッジを受け取り、あちこち見始める。
私が加盟している愛車アレックス・モールトンの英国のクラブも出展していて、1995年にメーカーのあるブラッドフォード・オン・エイボンで行われたアレックス・モールトンのオーナーイベントでお会いしたメンバーと再会する。その際立ち寄った、バースの駅の下のショップも店を出している。体育館の舞台上では、時間を決めて、新車などの説明会が開かれている。メーカーやショップの人が説明してくれるので、興味のある人が、壇上に上がって、取り囲んで話を聞くのだ。全く新しい形式のフロントサスペンションを搭載したアレックス・モールトンの新車の説明会が始まったので、壇上に上がって話を聞いた。半分も英語が理解できないのだが・・・。
昼食を食べるためにパブに行くと、昨日お世話になった、日本語の話せる英国女性が、旦那さんと赤ちゃん(ジャスミンちゃん)を連れてオーダーの列に並んでいた。並びながら話すと、その女性ジャスミン・ママ(お名前不明)は、日本でホームステイしていたことがあって、日本と日本人がとても好きだそうだ。
会場の建物の外も、折り畳み自転車で大にぎわい。参加者各自が乗ってきた折り畳み自転車が駐輪されていて、最大派閥のブロンプトンなどは、30台ぐらいが入り口付近に積まれていた。また、各メーカーは試乗車を貸し出していて、みんなこぞって試乗していた。一番興味を引いたのは、ブロンプトンをリカンベント(「横たわる」の意味で寝そべって乗るスタイルの自転車のこと)化するキットで、まだプロトタイプらしいが、ブロンプトンの折り畳み性能を殺さずに、ちゃんと折り畳むことができる。
昼食から戻ってくると、私の自転車にメモが貼ってあった。「スターメー・アーチャーのブースに来い。」なんだと思い、そのブースに行くと、ブルックスのサドルオイルをくれた。英国のブルックスは、私の愛用している皮サドルの老舗メーカーで、今は自転車部品の総合メーカーであるスターメー・アーチャーのブランドである。ユーザーの自転車にメモを張り付け、ブースに呼び出して、手入れの方法などをアドバイスしているのだ。私の場合は、私の自転車の止めてあるところまで来てもらい、オイルが足りないなどの、アドバイスをしてもらった。
日も暮れだしたので、昨晩泊まることが出来なかったB&Bにチェックインするために向かう。しかし、またトラブル。空き部屋はないとのこと。朝10時までにチェックインしないから、キャンセル扱いにしたとのこと。ヘンショー氏にあれだけ念を押してもらったのにこのザマだ。ここまでひどいと、もう交渉するつもりはない。我々は、昨晩利用して、とても良い印象をもっていたB&Bであるベルビュー・ハウスに今晩もお世話になることにし、私が愛車でチェックインをしに坂を上がった。B&Bに到着するなり、奥さんにお願いすると、ベッドメーキング中であったが、昨晩と同じ部屋に泊まることを大歓迎してくれた。