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朝起きると、窓からマッターホルンが見える。昨夜干した洗濯物を閉まってさっさとチェックアウト。Tシャツとキャプを土産屋で買った後、YHへ向かう。 YHの手前でグリンデルバルトのYHで一緒だった日本人とばったり会った。一昨日から親の仇をとったような快晴で...などという彼から周辺の情報を仕入れ、YHに自転車をとめて会員証をカウンターへ置きに行く。今晩こそYHに泊まれそうだ。 |
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色々考えた結果、富士山頂より高いクライン・マッターホルン(小さなマッターホルンと言う意味)にゴンドラとロープーウエイを乗り継いで行き、帰りは途中から歩いて下ることにした。 YHからゴンドラの駅には歩いてすぐの所である。快晴の天気の中、のどかな別荘地のようなところを歩いて行く。 ゴンドラにのってぐんぐんイタリアとの国境に向かい登って行くと右手にマッターホルンがぐんぐん近づいて来る。いままで幾度となく写真で見たていた山が、こんなに近くに見える。 |
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ゴンドラからロープーウエイに乗り換えると、のっている客はほとんどスキー客で占められるようになる。ここまで来ると真夏のこの天気でも解けないで残っている雪の上をスキーヤーが降りてくるのが見える。左側に見えるモンテローザ山から流れる大きな氷河を横切り、ロープーウエイはマッターホルンに似た、とんがった岩の中の駅に着いた。 はあはあ息をさせて、頂上の展望台に登り、雲一つないアルプスの全てを眺める。ツェルマットの町から見るのとは違ったマッターホルンをはじめ、360 度のすばらしい眺めである。 双眼鏡で見ると、ビスプの町から自転車で登ってきた道がはっきり見え、遥か向こう側に、数日前グリンデルバルトから見たユングフラウ,アイガー,メンヒなどのベルナーアルプスの山々を反対側から望める。イタリア側にはブルイユの町が見え、遥かかなたにはフランスとスペインの国境の山々が見える。 白い山から藍色の空に突き出た展望台で1時間ほどのんびりした後、ロープーウエイでフーリ駅まで下り、マッターホルンに一番近いシュヴァルツェー駅に再びロープーウエイで向かう。 |
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ついにこんなにマッターホルンの近くまできてしまった。強い日差しの中、そびえ立つマッターホルンを目前に、屋外レストランで昼食を取る。 グリンデルバルトでは果たせなかった、ハイキングの始まりである。何度も振り返りながらマッターホルンの変わって行く表情を眺めながらゆっくりと下る。 昨日炎天下で痛めた右足が、下りの衝撃でまた痛みだした。休憩しながら眼下にツェルマットの町を見る。 |
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YHにチェックインしなければならない時間が迫ってきたので、フーリ駅からゴンドラに乗って戻ろうかどうしようか迷ったあげく、登山道を下らず、舗装の農道を下ることにする。 この辺の農家も排気ガスをださない電気で走る農作業車を使っているので、スピードがのろく、歩きながら運転手と会釈が出来るほどだ。途中、あちこちでマウンテンバイクのコースの標識があり、地元のマウンテンバイク人気がうかがえる。 |
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急いでYHに飛び込むと今日はすいているらしく、ずっこけてしまった。グリンデルバルトでツェルマットに見送った日本人サイクリストに再会してコルナーグラートへ自転車で登った話を聞いた。若いということはいいことである。夕食は自炊で、スパゲッティーを茹でてトマトといためて食べる。 ローザンヌから来たマウンテンバイクのチームの人がYHの1階で自転車のメンテナンスをしていたのでカタコト英語で話をした。彼はアマチュアのスキーチームLOOKのメンバーで夏場はマウンテンバイクでトレーニングしているそうだ。 さすがに世界的に有名な観光地のYHだ。日本人も多く、20人ぐらいはいるようだ。部屋は最上階の一番端なので天井が斜になっている。壁書かれた日本人の落書きを見ながら寝る。 |