スイスサイクリング

スイスサイクリング 詳細
1989年8月28日 月曜日 雪のグローセ・シャディッグ峠を越える


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走行ルート
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Grindelwald YHOberler氷河Grosse Scheidegg峠Meiringen YH
天候
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雨のち雪
宿泊先
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Meiringen YH
支払い
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アーミーナイフ(VICTORINOX Classic)SF13.50
COOPで買い物SF4.90
地図(3枚)SF4.00
コーヒーSF2.30
YH宿泊費SF14.90
夕食SF17.50
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Grindelwald YH 12:00発
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昨日より天気が悪く雨が降っていたが、つかのまの晴れ間をついて出発。今日は最初の難関グローセシャディック(大峠)越えである。スピードを出して走ると、路面の雨水をタイヤが巻き上げるので、泥除けを付けてこなかったのを反省する。

途中、雨が降りだしついには本降りになったので、民家ののき先で雨宿りする。その家の子供達がミニバイクや自転車でつぎつぎに学校から帰ってくる。どうやら昼食は自宅で取るようだ。

Oberler氷河 13:17着
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Oberler氷河s5tr
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Oberler氷河

雨が小降りになったので、ポンチョを着て走り始める。地図で見た通り勾配がきつくなってくる。峠に近くなれば少しはゆるくなるはずだと言い聞かせながら、雨で洗われたきれいな舗装道を昇る。

前方にオーバーラー氷河が見えてくる。車で見に来れるなんて便利な氷河であるが、時間がないのでパス。ちょっと下ると氷河見物の人々が利用する駐車場がありここから上は一般自動車は入れない。自転車天国である。

昼食ポイント 14:00着
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Grosse Scheidegg峠へのアプローチs5tr
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Grosse Scheidegg峠へのアプローチ
上から見るOberler氷河s5tr
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上から見るOberler氷河

峠の登り道は最初、欝蒼とした森を抜け、カウベルを付けた牛の牧場の中を抜けていく。町から離れるにつれ、カウベルとたまに近づいてくる路線バスの音しか聞こえなくなる。木の下にベンチがあったので遅い昼食とする。パンにハムとチーズをはさんで、サラダとともに食べる。

昼食が終わるころ雨が降ってきた。再びポンチョをだして自転車をを押し始める。雨の中の登りはとても乗る気にはならない。

天候はすぐれないが、静かで、周りの雰囲気がとても良いので気分は上々である。このまま押していっても1時間ほどで峠につくであろう。

標高が高くなるにつれ、雨が雪に変わった。たまに出会うのは、山歩きの人と路線バスか農作業車のみなので、次第に寂しくなる。地図のヘアピンのようなつづら折りと、昇ってきた道を見比べ自分の位置を確認し、腕時計を見るという行為を何度となく繰り返す。

Grosse Scheidegg峠 15:30着 16:05発
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8月なのに吹雪のGrosse Scheidegg峠s5tr
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8月なのに吹雪のGrosse Scheidegg峠
Grosse Scheidegg峠を下りMeiringenへs5tr
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Grosse Scheidegg峠を下りMeiringenへ

峠に近づくと、雪もかなりの量になり、横殴りにふぶき始める。すでに視界は10メートルほどになって、前方のコーナーも見えなくなった。自分の位置の判断がいい加減になり、ひたすら前へ自転車を押すことに集中する。

大きく左に曲がるコーナーに差しかかったとき、ふと建物が見えた。峠にあるホテル兼カフェである。いさんで自転車を壁に立てかけ、体に着いた雪をはらってカフェにはいる。着ている服を乾かすため暖房のそばに座り珈琲をたのむ。

店内は薄暗く、歓談する地元の農家の人々とバスで来たのか観光客の家族一組がいるだけ。それと大きなセントバーナードが1匹敷物のように床に寝ている。かわいい顔をしているので頭を撫でてあげたいが、デカイので噛みつかれたらおしまいだと思いやめてしまった。

相変らずふぶいているので、ろくに写真も撮らず峠を下り始める。少し下るとすぐに雪がやみ、周りの絶壁のような山々がよく見えるようになる。

小雨が降ったりやんだりする中をひたすら下る。途中、滅多に車が通らないからか、牛数匹が牧場の柵を出て、道を占拠して寝ている。写真をとろうとカメラをだすと、こちらを睨んでモーモーとうるさく鳴きながら立ち上がろうとする。怖くなってカメラをしまい、素早く牛の横をすり抜ける。

下って行くとやがて道の舗装がとだえ、白い石灰をまいたようなダートの道にはいる。ダートの手前にはやらないレストランのような建物があり、ホースを道に向けて固定し、水をまいている。その水をよけようとして、柵にサイドバックを引っ掛けそうになり転倒してしまった。自転車を倒して人間だけとびだしたので怪我はなかったが、かなり低速であったにもかかわらず、荷物が重いせいかフロントホイールに歪みが出てしまった。

Meiringen YH 17:30着
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ひたすら下っていくと国道に出た。マイリンゲンの町に入り鉄道の線路を横切るとすぐにYHの標識があり、小さな川を渡るとすぐにYHがあった。

人気がないYHの中に入り、チェックインしていると、日本人の男性が後から入ってきた。こんなマイナーな町にまで日本人がいてびっくりする。彼はドイツに留学中で、日本を離れてもう4か月になり、アルプスの峠を周遊するバスに乘ためにこの町に来たという。

ダートの下りで汚れた衣類を水洗いして干し、歪んだフロントホイールを直す。なかなかうまく振れが取れず先を思いやる。泊まり客のおじさんが来て私の自転車の自作ギアを見て"Unusual"(変なの!?)と言う。なかなか鋭いなと思ってよく聞くとその人はサイクリストで、若いころスイスを走ったことがあるそうだ。

このYHは夕食が出ないので歩いて町のレストランに食事をしに行く。ノンアルコールのビールとグラタンのようなものを食べた後、人気のない町をぶらぶらしてYHに戻る。

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