YH前で写真を撮って、いよいよ出発。まあまあの天候だがちょっと肌寒い。
インターラーケンのインフォメーションで地図を手に入れる。縮尺や用途別に揃っていて豊富なのはいいが値段が高い。ベルナーオーバーランド5万分の1 のハイキングコース入り地図をSF(スイスフラン)16で購入。
早くもお目当てのアーミーナイフに目が行きお土産屋に自転車を止める。観光地では高そうだし、荷物になるので後で買うことにする。
観光都市とは言っても、インターラーケンは小さな町で、5分も走らないうちに郊外に出る。谷の緑の中を登山列車沿いにゆっくり登っていくと、射撃場が近くにあるのか、銃声がボンボン聞こえる。
走り始めにしては好調な登りである。
途中一箇所むちゃくちゃきつい登りをクリアーしてグリンデルバルトの町の入口のインフォメーションで一服し前方にそそり立つ巨大な山を仰ぎ見る。これが険しさで名高いアイガーの北壁だ。
CO-OPマーケットで何日か分かの軽食としてパン、ハム、チーズなどを買い込む。マーケットの前で3人の日本人学生に会う。一人はサイクリストで、ロンドンから走り始めてヨーロッパをもう2,000kmも走ったそうだ。彼らから情報を聞き出し、ユングフラウヨッホへは今日は曇っているので明日行くことにする。
グリンデルバルトのYHは人気があるそうなので、会員証と荷物を先に置きにゆく。
昼飯を食べてあとブラブラしているとさっきの学生にまた会ったので一緒に写真を撮り、これからツェルマットに行くというサイクリストを見送る。
ここのYHは山の斜面にあり、かなり坂を登るが、眺めがよく、アイガーが正面に見え、グリンデルバルトの町明りも眼下に見下ろせるいいロケーションだ。
先ほど会った日本人学生と食事前にテラスで話をする。なにせ彼らは日本を出て1ヶ月にもなるので、連続幼児誘拐殺人犯人が捕まったことなど、最近の日本の情報を与えると大喜びだ。日本の状況が知りたくなるほど永く外国を旅できるなんて、羨ましい限りだ。
ここの食事は評判がよく、テーブルには大きな皿が一つとナイフとフォークが並び、次々とおかずが出される。ボリュームも満足できるものであった。
夜は庭でマペットショーがあると言うので皆で見に行く。小さな小屋の中で手作りの人形を一人で扱い劇をやっている。英語なのでほとんどわからないのが残念であるが、見ている子供と人形とのやり取りがおもしろく皆におおうけである。子供には人形が作り物であると言うことがわからないようで、しきりに話しかけるのであった。