谷がひらけてティーシュの町に着いた。ここからツェルマットまでは一般の自動車は入れない。このため自家用車で来た観光客はここで車を駐車場に止めて鉄道に乗り換えなければならない。町のほうぼうに駐車場があり、日本でも見かけない台数の自家用車や観光バスがずらーっと駐車されている。
一般自動車進入禁止と思われる標識をくぐり、ゆうゆうとツェルマットに向かう。なかなか痛快である。自動車が1台しか通れないような細い谷間の道を登っていくと、夢にまで見たあのマッターホルンの先っぽの傾いた部分が姿を表した。でっ...でかい。こんなにまじかに見えるのか。うーん...。
ツェルマットの駅前は、電気自動車が走り回り、馬車がつながれていて、地元の人はマウンテンバイクで走り回っている。排気ガスのない空気のきれいな町だが、馬糞が気になる。インフォメーションらしき物が見当たらないのであてずっぽうにYHを探しはじめる。やっと見つけたのに満員で泊まれない。山男の団体が泊まっているようで大きな荷物を背負って帰ってくる。仕方がないのでサロモンと言うスポーツ用品店も経営しているホテルに泊まる。
イタリアピザの店で食事をとり、ぶらぶらまちなかをウインドウショッピングをする。この町は汚い格好をした山男から、サイクリスト、スキーヤー、着飾った金持ちなど、さまざまな人種が世界中から山を楽しむために集まってきてとてもにぎやかである。