ターミナルビルから出た腕に取り付いている白十字マークのスイスエアーを横目に、ビルからかなり離れたところに着陸する。ここではスイスエアー以外のよそもの飛行機はこんな扱いだ。飛行機から降り低いバスに乗る。これでターミナルビルまで行く。
換金を済ましてから入国手続きをする。パスポートを見るだけでスタンプ一つ押さない。預け荷物をとりに行くともう人気がなく、私の自転車だけが寂しく置かれていた。
チューリッヒ空港は国鉄の駅が地下にあって手押し車でホームまで行ける。とにかく早くインターラーケンに行きたいのでかたことの英語で切符を買う。
チューリッヒからインターラーケンへはベルン経由で乗り換え無しのコースもあるが、景色がいいというルツェルン乗り換えブローニング峠越えのコースに決めた。
手押し車のままエスカレータでホームに降り、ルツェルン行列車の再後尾に自転車を乗せ、すいた車輌の中ほどに座った。外国で地下鉄以外の鉄道に乗るのは初めてである。
空港駅を出てすぐにチューリッヒ駅についた。10分経ってもなかなか発車しないのでだんだんイライラしてきた。スイスの鉄道は、種類が色々あって特別な列車以外は料金は皆一緒である。もしかしたらこれは鈍行列車ではないのかという不安が沸き上がり、そう思うと先に出発する列車がみなルッツエルン行きに見えてくる。
いっそ降りて確かめようかと思っているとドアが絞まり、やっと発車した。回ってきた車掌さんに聞いても、英語がわからない様で、全然取り合ってくれない。どうにでもなれと開き直っていると、列車はチューリッヒ湖沿いに小さな駅を飛ばして行く。少なくとも鈍行ではないようだ。