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| Matanzasで宿泊したHotel El Louvre |
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朝、ホテルの部屋から見た、マタンサスの街は、横から差す太陽の光に輝いている。今日も天気がよい。2階から、ぼーっと街行く人や、車を見ていると飽きない。特に車は、クラッシックな車である率がハバナよりも高い感じがする。マタンサスの古い街並みと相まって、町中、動態保存されたクラッシック自動車の博物館である。 今日は、キューバで一番著名なビーチ・リゾートのバラデロに向かう。距離は50km程度で、アップダウンは無さそうな、海沿いのルートということで、今日は余裕がありそうだ。古い街並みのマタンサスを少々散策してから、バラデロに向かうべく、マタンサス湾沿いに南下しよう。 |
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| Matanzasの街を一望できるRene Fraga公園 |
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ホテルを出て、公園を横切り、マタンサス湾を背にして、レネ・フラガ公園をめざして、少々登りのきついメインストリートを南に向かう。通勤時間だからか、車の通りや人通りが多い。 道を登り切ったところに、公園はあった。建物が密集したイメージのある旧市街のイメージとは違う、開放感のある公園で、子供達が団体でスポーツしている。さすがにこれだけ登ってきただけあって、眺めがよい。マタンサスの街や、マタンサス湾が一望できる。 |
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公園を挟んで、登ってきた道の一本東側の道を下る。相変わらず、道が狭い上に、交通量が多く、おまけに商店への搬入なのか、駐車車両も多く、途中何度か通行を妨げられる。昨晩泊まったホテル付近まで下ってきたので、まっすぐ行けばマタンサス湾に出ることができるが、まだまだ時間には余裕があるので、進路を西に変え、サン・フアン川を渡って、鉄道の駅の当たりに行ってみようと思う。 旧市街から西に行き、地図で確認したサン・フアン川にかかる細い橋の入口にたどり着くと、なにやら工事をしている。工事人のおじさんが、橋を渡ろうとしている私を見て何か言っているが、スペイン語なので、理解不能。とにかく行ってみれば解るという感じなので、自転車を押して、歩行者用の橋を渡るべく、どんどん進んでゆくと、橋の欄干を交換しているのか、真新しい塗装がされている。先のおじさんは、このことを言っていたのか、と思いつつ、どんどん進んでゆくと、真ん中当たりで本格的な工事をしていて、通り抜け不能状態。こういうことだったのかと思い、写真を撮って、旧市街方向に戻る。 近くに、動物園があった。とても質素な動物園だが、それなりに客が来るようで、入口の前に露天が出ている。一つの店は、カステラのようなものに、キャラメルのような色の甘ったるそうなクリームをかけたお菓子で、もう一つは、丸いパンにチーズとハムを挟んだ、サンドイッチのようなもの。朝食を食べていないので、これを1ドルで2個買い求めて、1つを食べ、1つをバッグに詰めた。 |
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いよいよマタンサスの旧市街を出て、湾岸を走って海沿いに、バラデロに向かう。マタンサス湾に流れ込む??川の橋から上流方向を見ると、りっぱな鉄道のための鉄橋が架かっていて、ちょうど貨物列車が入ってきたところだった。路線変更するためなのか、鉄橋を渡りかけたと思ったら、同じ方向に戻っていった。この鉄橋は、良く見ると、ただの鉄道橋ではなく、橋の真ん中に大げさな設備があり、大型の船が川を通過するときは、スイングするようになっているようだ。 マタンサスの街は大きく広がっていて、旧市街からずいぶん離れたところまで、近代的な建物が並んでいる。やっとそれがとぎれた当たりで、道は少々内陸に向かう。マタンサス湾を背にして、かるく登りになった道を進み、振り返ると、マタンサス湾が見える。それを背景に、クラシカルな車が走ってくる風景がいい感じなので、腰を落ち着けて写真を撮る。絵になる車を待っていると、自転車競技のチームの練習をしている一団が通りかかった。ハバナ郊外でも、ロード・レーサーに乗った人をよく見かけたが、キューバでは、自転車競技は珍しくないようだ。 地図を見ると、海に鈍く飛び出した場所があって、マヤ岬と書かれている。そこを経由する道があって、ハイウェイをそのまま行くより遠回りだが、ほんの5kmほどのようだ。サイクリングガイドでも、こちらがお勧めコースということもあり、このプンタ・マヤに行ってみることにして、ハイウェイからの分岐点を左にそれる。 |
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ハイウェイから離れるといきなり道は細くなるが、ちゃんと舗装もされていて、快適である。そして、周囲は低木が生えている程度で、とても見晴らしがよく、マタンサス湾がよく見える。少々寂しい道でもあるが、なんといっても、車が皆無なので、排気ガス臭くないのが良い。 どんどん行くと、立派な灯台が見えてきた。この灯台がある周囲は、しっかりした塀を巡らせてあり、敷地の中には建物が建っている。門番の人もいて、写真を撮っている私の方を見ている。軍関係の施設ではないだろうが、警備の厳しい施設でうるさいことを言われたら、面倒なことになるので、早々に立ち去る。 |
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マヤ岬を後にして、ふたたびハイウェイ、ビア・ブランカに戻るべく、交通量の少ない道を走る。途中、小さな川を渡る橋があり、欄干に腰掛けられそうだったので、小休止をとり、朝、動物園の前で購入したサンドイッチを食べる。 |
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海に注ぐ川を越える橋を渡るときに、下を見ると、流れている川はとても美しい。海も奇麗だが、流れ込む川が汚染されている様なことがないから、海の奇麗さも保たれるのだろう。 だんだん向かい風が強くなってきた。今日は、距離も短く、平坦なルートなので、楽勝だと思っていたが、向かい風は計算に入れていなかった。頑張って走っていると、ボカ・デ・カマリオカという集落に到着した。ハイウェイ沿いに商店があり、お昼の時間と言うこともあり、トラック運転手などだろうか、多くの人が休憩している。のどが渇いたので、水を買おうと思ったら、あいにく単三入りの物しかないので、ペプシ・コーラを買い求める。それを飲んでも、まだ喉が乾いているので、炭酸のオレンジ・ジュースを購入する。店周囲のベンチに腰掛けて飲んでいると、地元の人が英語で話しかけてきたので、今日はバラデロまで走るのだが、向かい風が辛い。などと話す。普通のおじさんだが、日常会話程度なら英語が出きるというのは、たいしたものだ。 |
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どんどん向かい風がきつくなってきて、いやになってくる。海沿いの集落の入口に、バラデロと書かれた大きな看板があったが、バラデロ自体はまだ先のはずだ。道は、海にかなり近いところを通るようになり、明るい青い色をした海が視界の多くを占めるようになった。向かい風の辛さが、一気に吹き飛ぶほどの、美しい海だ。ここからまっすぐ行けば、バラデロだ。と思って走っていると、前方に料金所が現れた。やはりバラデロのエリアは、リゾート地として特別な扱いをしている場所のようだ。行ってみると、自転車は無料のようだ。止まったついでに、小休止がてらに、美しい海の写真を撮る。 |
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料金所を後にして走って行くと、いかにもリゾート地という感じの、建物がある集落が現れた。バラデロの中心部は、厳密には川を挟んで、キューバの本島から離れた、小さな島になっているが、もうそれも近いだろう。と思っていたら、すぐに左側に水路を挟んで、島が見えてきた。リゾートホテルが建っていて、ヨットが沢山停泊しているので、すぐにそうだとわかる。飛行場が右手に見えるところから、橋を渡ると、バラデロの中心部だ。 |
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バラデロに着いて、まずやることは、十分な米ドルの現金を持っていないので、その確保だ。メイン・ストリート沿いに銀行があったので、飛び込む。キューバに来て銀行を利用するのは初めてだが、海外から旅行者が来るからか、まったく日本の銀行と変わらない雰囲気だ。窓口で、VISAのトラベラーズ・チェックを500ドル分、米ドルの現金にする。20ドルなどの少額のチェックを使おうと、チェックの束をめくっていたら、窓口の女性が100ドルのチェックに目を付け、それを使えと指示される。3%の手数料を引かれたが、この先、当分安心な額の米ドル札が手に入った。米ドルが、米国と国交のないこのキューバの銀行から、束で出てきたことに違和感を覚えた。そもそも、これだけ流通しているのも不思議であり、それだけ米ドルが世界中で通用し、安定した価値があると言うことなのだろう。 |
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次にやることは、世界遺産の街トリニダーまでのバスの手配だ。トリニダーまで自転車で走る計画を立てていたが、日程的に無理ということで、バスで移動に切り替える。足止めされるほど、素晴らしい場所に出会うなら、バス移動と決めていた。バラデロも素晴らしい場所なので、2泊することにした。とにかく、どんな移動方法であっても、トリニダーは魅力的な街のようなので、行ってみたい。 バスターミナルにいって、バスの路線を確認する。長距離バスは、キューバの大きな街や、観光地を結んでいて、わかりやすい。バラデロからは、トリニダーのあるサンタ・クララ州??の州都??、サンクティ・スピリタスを経由して行くバスがあり、迷わずそれにして、明後日の早朝に出る便の切符を買う。 |
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次は、宿の確保だ。キューバで一番著名な高級リゾート地でもあり、宿は沢山有るので安心だが、選ぶのに困ってしまうぐらいだ。高級な宿が多そうなので、安そうなところから探し始めるが、3カ所ぐらい当たって、どこも満室だ。うろうろしたあげく、先ほど行ったバス・ターミナルに近い、海岸沿いの大きめのホテル、クラブ・エラジュラに泊まることに決まった。1泊42ドルと、予想より高いホテルになったが、朝食も付いていて、目の前がビーチなので、悪くないロケーションだ。 エレベータがないので、少々重たい思いをして、4階まで荷物と自転車を担ぎ上げ、部屋で一服してから、早速、ビーチに出る。バラデロのビーチはとても長い砂浜が続いていて、端の方までいってみようと思ったが、とても歩き切る距離ではなかった。 |
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夕食を取るため、自転車を組み立てて、走り出す。目標は、日本語のガイドブックにも出ている中華料理店「来来」。思ったより近く、5分程度で到着。立派な作りの中華料理店で、内装もしっかりしていて、高級感のある店だ。3ドルぐらいの料理が沢山あり、あれこれ頼んで、お腹いっぱいになる。ビールも飲んで、デザートも頼んで20ドルは安い。それでも、キューバの一般庶民が利用するレストランに比べたら、かなり高級なレストランなのだろう。 |
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酔い覚ましに、バラデロのメイン・ストリートをホテルとは反対方向まで行ってみる。食べ過ぎたので、腹ごなしも兼ねて。そして、飲料水を買うため、開いている店を探すが、この時間、レストランはやっているところもあるようだが、商店は閉まっている店ばかりだ。今度は、反対向きに走って、ホテルのあるところを通り過ぎ、ずっと先まで行ってみる。バラデロの街の端の方までいってみて解ったが、かなりの規模だ。ホテルに戻る途中、開いていた商店を見つけ、水と炭酸飲料を買って、ホテルに戻る。 |