東九州サイクリング

東九州サイクリング 詳細
1992年8月29日 土曜日 太陽との戦いに敗れ列車で移動


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走行ルート
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高千穂YH延岡日向駅宮崎駅宮崎婦人会館YH
天候
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晴れ
宿泊先
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宮崎婦人会館YH
走行データ
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走行距離:85km
支払い
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スポーツドリンク¥110
スポーツドリンク¥110
昼食(九州ラーメン)¥500
JR運賃(日向駅〜宮崎駅)¥900
特急にちりん特急料金(日向駅〜宮崎駅)¥1,010
YH宿泊料金(食事無し)¥2,000
夕食(居酒屋にて)¥4,600
スポーツドリンク¥110
スポーツドリンク¥110
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高千穂YH 09:30発
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高千穂YHでは、今となっては少々特殊な方法で朝出て行く人々を見送る。フォークギターを抱えてYHおなじみの歌を歌う青年を見ていると、昔のYHを思い出す。見送られる方がそんなやり方を知らないらしく、何事かととまどっているぐらいだ。

YHを出発して道に出た途端、YHの会員証を忘れたことに気がつく。すぐに戻って受け取るときにYHの人に昔の会員証を見せると、なつかしがると同時に、私に向かい、「若いのかそうでないのかわからなかった」と言った。この年で自転車に乗ってYHを泊まり歩いているのは、昔のYHブーム(私の前の世代です)の人か、節約旅の学生ぐらいかも知れない。

もう一度YHを出発して旧道を川沿いにゆるやかに登り、川のかなり高いところを橋を渡っており返して今度は川沿いにひたすら下る。取り敢えず延岡までは川沿いに下りだ。昨日YHに向かう途中にわかれた新道とは、なかなか合流せず、車はほとんどこない。美しい川沿いの緑の豊かなコースをゆっくり楽しみながら下る。途中大小さまざまな滝が切り立った壁を伝い流れ、水しぶきが路面を濡らしいっそうさわやかな気分にさせてくれる。

途中、新道と合流したはずなのにほとんど車の交通量が増えない。途中の集落をいくつか過ぎたところで随分高いところにバイパスが通っているのを発見した。新道とわかれている間に新道もバイパスと分岐したため、交通量もさほど増えなかったのだ。

途中の大きな町の集落を過ぎたところで左手の高千穂鉄道の小さな鉄橋越しに、ちらっと滝が見えた。戻ってよく見ると道から50m程奥まったところにあり、30m程の高さから、一気に滝壷まで落下する見事な滝だ。しかし目立った看板などなく、ちいさく「観音滝」とかかれていた。あまりに見事なことと相反するように観光地化されていず、さびしささえ感じる。見渡しても自分一人で、何かいわく付の滝なのではないかとまで思ってしまう。滝壷から流れる小川の脇に車が通れるほどの道が有り、反対側は森を抜ける階段付の歩道となっている。小川が滝壷から湧き出るところに、神社にあるような朱塗りの小橋がかかっている。見とれて30分、鉄橋を通る高千穂鉄道も観光客へのサービスのためか、徐行して通過するようだ。

延岡 12:30着 14:00発
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谷もだんだん開けてきて、家々が増えて延岡市が近ずいていることを感じさせる。町内に近ずくと大きな道が交錯して交通量もばかにならなくなってきた。入り込むと時間が取られそうな市街地を避け昼食をとる場所を考えながら走っていたら、宮崎に向かう国道に出てしまった。

延岡市をあとに、炎天下の中を宮崎方面へ向かう。沿道は昼食がとれる場所は段々少なくなって行く様で、入るのがためらわれるファミリーレストラン等がたまに目に着くぐらいで、なかなか落ち着けそうな食堂などがない。

じりじりと太陽光が輝つける中、熊本ラーメンの店を見つけ飛び込む。店内のメニューにはラーメンやチャーシュー入ラーメンと言うような表記しかなく、この辺ではラーメンと言えばとんこつラーメンであるというのがあたりまえのようだ。たまご入ラーメンの大盛りを頼み、冷たい水をガブガブ飲む。

日差しの強い時間帯の走行をなるべく避けるため、ラーメン屋に長居をするが、時間もないので諦めて出発。今日は宮崎の少し先の青島まで行きたいので、海岸線沿いの道を平坦とはいえ、これから60km以上も走らなければならない。

日向駅 15:10着 16:06発
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水を飲みすぎたせいか、走るのが非常に辛くなってきた。照りつける太陽光の中、車の排気ガスと騒音にまみれ、高千穂からの下りの快適さとは正反対の状況だ。

地元の人にも、炎天下の中自転車で移動している人もいて、ばてばての自分とは抜きつ抜かれつ同じペースで走っている。いいかげん木陰などで休みたいと思いつつ、だらだら走るが、緑もなく、こんな面白くないところを走ることが馬鹿らしくなってきた。

日向市に着いたところで遂に限界。日向と言う地名が示すとおり、太陽光線の暴力は半端ではない。南西方向から来る太陽光線は、半ズボンで露出した足を直撃し、両足の右サイドは真っ赤である。肌はかなり強い方であるが、手で光線を遮ると、痛みがおさまる様な状況なので、このまま走っていては危険であると判断し、日向駅から宮崎駅まで輪行することに決めた。

駅に着き、時刻表を確認する。普通列車には間に合いそうにないので、1時間後の特急列車に乗ることにし、付近の銀行で現金を引き下ろした後、自転車のパックを始めた。

普通列車が着いて、親子連れのサイクリストがパックした自転車をもって改札から出てきた。お父さんと話をすると、埼玉の志木の人で、九州を回り今日、日向からフェリーで帰るそうだ。私もよく行く志木にある自転車店のクラブに所属しているそうで、話がはずんだ。

宮崎駅 17:00着
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真っ赤な色をした特急列車に乗り込み、つかの間ではあるが、冷房の聞いた空間の中で休憩をとる。しかし、日に焼けた足がひいひりするので、濡れタオルを足に当てて熱を取る。途中窓越しに使われなくなったリニアモーターカーの実験線が目に入る。直線の高架になった非常に細長い建造物は何分間も視界から消えることなく窓の外を伸びる。

1時間ほどで宮崎駅に着く。てっきりここが終点だと思っていたら、あまり人が下車しない。よく見ると南宮崎行となっている。今日は青島まで行きたかったので、せっかくだったらもうちょっと先まで乗っていればよかったと思いつつ、改札を出て自転車を組み立てる。

宮崎婦人会館YH 17:40着
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今回の旅も残すところ後二日。そろそろ帰りのことを考えなければいけない。当初、帰りも長距離夜行バスの予定であったが、九州からの直通バスは、博多からの便しかなく、夕方に博多を出るバスに間に合うためには、宮崎を昼ごろ出発しないと間に合わない。今日、日向の手前ですれちがった寝台特急「富士」の東京行はどうかと考え、空席情報と料金を駅の窓口で尋ねると、空寝台有りとのこと。しかし結局バスと同様、昼ごろ列車にのって、東京に着くのは翌日の朝で、明日は身動きがほとんどとれないことになる。

駅の時刻表と首ったけで調べているうち、時間が経過し、走る気を無くしてしまったので、今日は青島まで行くのをやめ、宮崎婦人会館YHに泊まることにする。

宮崎婦人会館YHは、宮崎市内の中心部に有り、旅行者にはとても便利だ。YHにつくと建物の前に、ロードレーサーが止まっている。もしかしたらサイクリストが同宿なのかと思って、手続きを済ませ、部屋に入ると同室であった。今日の宿泊者はどうも2人だけのようだ。

風呂上がりのサイクリスト氏に声を掛け、一緒に食事に出ることにする。このYHは市内の繁華街に近いためか、食事は出ない。洋風居酒屋でビールをのみながらいろいろ話しているうちに、私よりちょっと年上の彼は短い夏休みの間、福岡から阿蘇,高千穂,宮崎,えびの高原と走る予定で、高千穂で見かけたロードレーサーの人であったことがわかった。仕事は福岡でコンピュータープログラマーをしているそうで、そっちの方でも話が弾んだ。

YHに戻り、まだ決まっていない帰りのルートの話をしているうちに、飛行機で帰るのはどうかという話になった。国内線は利用したことがなく、混み具合もわからないので、この時点で予約がとれるのかどうかもわからない。宮崎空港は市内から最終目的地である都井岬方向に有り、都井岬と宮崎市内を結ぶ急行バスルートの途中にあるので、都井岬からバスで空港まで戻るという手段がある。

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