シューッという音とともにパンクだ。まとまったアップヒルでのパンクはめげるとともに休憩の口実を自分に与える。チューブ交換のために沿道に並ぶトウモロコシ売りの屋台のそばで前輪を外す。売場のおばちゃんは、行き交う自動車に手を振り、商売相手でない私には無関心である。
10分程でチューブを交換して、また苦しい登りの再開だ。無数にある沿道のトウモロコシ売りの若い女性はみんな決まったように手を降っている。自動車でなくてもよそ見しているとハンドルをとられて危ない。そんな中の一人が、「あと1kmですよ」と声をかけてくれたのはうれしかった。
登りのピークを越え、草千里浜を見下ろす展望台に着いたとき、計ったようににわか雨が降り出した。たまらず草千里浜まで下り、阿蘇火山博物館の中で雨をやり過ごす。時間があれば博物館見物をして行きたいところだが、今日は何とか高千穂まで行きたいので我慢する。
雨があがり写真を撮り、いよいよ阿蘇の下りである。すぐに阿蘇山の火口方面に向かう道と別れる。数日前の噴火以来危険なため火口の見学は不可となっているようだ。
再びあたりが暗くなってきた。また雨の襲来となるわけだが、せっかくの下りなのでポンチョなど着てられるかと、走り続ける。トンネルの入口でちょっとあまやどりをして、トンネルを抜けるとしっかり晴れ上がっていた。