北海道央サイクリング

北海道央サイクリング 詳細
1993年7月13日 火曜日 雨の狩勝峠を越え富良野へ


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走行ルート
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サホロYH狩勝峠幾寅三の山(樹海)峠麓郷麓郷の森布札別富良野ホワイトYH
天候
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雨のちくもりのち晴れ
3日目のルート詳細地図s5tr
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3日目のルート詳細地図
宿泊先
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富良野ホワイトYH
走行データ
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最高時速:58.2km/s
積算距離:322.3km
走行距離:97.34km
走行時間:5時間45分07秒
平均時速:16.4km/s
支払い
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芋団子¥200
ポカリスエット¥120
昼食(Aコープにて購入)
リンゴジュース¥80
惣菜パン¥135
サンドイッチ¥275
チーズ蒲鉾(4本入)¥248
ジュース¥110
ジュース¥110
ジュース¥110
絵はがき¥500
フイルム¥743
歯ブラシ¥180
アイスキャンデー¥60
YH宿泊費(朝夕食込み2泊分)¥8,446
ジュース¥110
洗濯洗剤¥30
洗濯機乾燥機使用料¥400
観光ガイドムック「北の大地」¥700
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サホロYH 08:40発
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朝起きると雨だ。部屋の窓の下に立てかけた愛車の革サドルにも水滴が沢山付着している。今日は予定しているコースの中では、最大の難関である狩勝峠越えである。景色がよいことで有名な峠であるが、こんな様子では景観はあきらめるしかなさそうだ。

ロビーに出ると、何人かがテレビをじっと見ている。眠い目をこすってテレビをよく見ると災害現場からの緊迫した中継などを映し出している。昨晩の地震の被害らしく、北海道の日本海に浮かぶ奥尻島の津波等による被害状況を生々しく伝えている。昨日の地震はここではたいしたことなかったので、こんなに被害が大きいところがあったのかと驚いた。他にも、長万部付近で地割れ等の被害のため国道や函館本線は不通になっているらしい。昨日夜行で帰っていった桶川の彼女も途中で足止めされているに違いない。

食事を済ませ、荷物を自転車に付け出発する前に今日泊まろうと思っている富良野ホワイトYHに予約の電話をいれる。どうも富良野は晴れているらしい。今回持参した唯一の雨具であるマウンテンパーカーを着込んで、目的地は晴れているという情報をはげみに何とか狩勝峠をこえるべく雨の中を走り始める。

途中、サホロリゾートと呼ばれる季節はずれのため閑散とした大型スキーリゾート地をすぎ、整備され道幅も広い国道をひたすら登る。ハンドルに巻き付けた高度計付腕時計とサイクルコンピューターを見比べてどれだけ登ってきたのかを計算しながらゆっくり登る。途中標高が記された看板を何度か見かけたが、高度計は常に100mほど高い値を示している。気圧のみを頼りに高度を計算しているので、今日の悪天候の原因である低気圧によってより高い値を示しているに違いない。しかし、登った分の標高差だけでも十分使える機能だ。

狩勝峠 10:10着 10:50発
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視界数メートルの狩勝峠s5tr
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視界数メートルの狩勝峠

今回の旅はそんなに山道を走ることは少ないので、20万分の1の地図をメインに使っている。よって峠のアプローチ等、細かい状況はあてにならない。高度計によるともうそろそろ峠の標高に達しているはずだがなかなかそれらしきものが現れない。

そうこうしているうちに、いきなり峠の建物が現れた。そくドライブインの軒下に自転車を止めタオルで眼鏡や顔を拭く。峠には団体客のバスや自家用車で来た客が数十人来ていたが、みな口々に景色が見えないことを残念がっていた。地元の芋を使用して作ったと言う餅を食べて体を休める。

国道を挟んでドライブインの正面にある展望台付近で周囲を眺めるがまったく視界が効かない。小雨になったが、ほとんど雲のなかにいるようで、背の高い木が見えるだけで展望台に上がる気もしない。モーターバイクの人と、まいりましたねなどと言葉を交わし、さっさと峠を下る。

雨はほとんど上がった状態であるが、路面を流れる雨水を考慮しスピードをセーブしてゆっくり下る。豪快な下りを楽しめないのはよしとしても、せっかくの景観がこれでは残念だ。

幾寅 11:40着 12:00発
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下るにつれ、徐々に四輪車のタイヤの跡が乾いてきた。空も部分的に晴れ間が見える。朝電話で確認した富良野方面の天候の情報は正しかったのだ。幾寅の町に下りきったときにはもう完全に晴れていた。峠を挟んでこれだけ天候が違うと言うのは9年前の北海道の知床峠以来だ。

国道は、金山湖の方向へは向かわず、幾寅の町から直角に右に折れて、樹海峠を越えて富良野方面へ向かう。ちょうどお昼なので樹海峠付近の景色のいい所で食事をするという算段で、ここで食料を調達することにする。

パン類などをスーパーマーケットで仕入れ樹海峠に向かう。途中、「道の駅」なるドライブインやツーリストインフォメーションみたいなものがある高速道路で言えばサービスエリアのようなところを通り過ぎる。ここで食事を調達すればよかったと思い、ちょっと寄って行こうかと考えたが、もう峠の登りの体制で心の準備をしていたのでそのまま峠の登りに入った。

三の山(樹海)峠 12:30着 13:20発
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地図で見てもわかるように、樹海峠へは標高差も少なく、実際の峠の登りからはさほどかからずピークに到達してしまった。峠にはドライブイン等の施設はないが、大きな駐車場が有り、峠の碑と公衆便所があるだけだ。峠の碑の裏から木の階段が山の上に続くので、食料とボトルを持ってえっちらおっちら登り始める。きっと展望台でもあるのだ。

頂上に着くと木々で覆われていてとても展望が効くとは思えない。見渡すとなかなか立派な3階建てほどの展望台があるではないか。人気の無い展望台をおそるおそる登って行くと木々の上から富良野方面にまさしく樹海が見えた。

展望台にかかれている能書きを読むと、ここはもともとは三の山峠と言って、富良野方面にある東京大学の演習林をはじめとする樹海が望めるため樹海峠と言う別名が着いたようだ。床に腰を下しそんなことを考えながら食事をする。

登りと同様短い下りを一気に駆け降りる。富良野地方に入り、大規模農業で作られた美しい丘の景色が見え隠れし始めた。このまま国道を川沿いに下っても富良野の町には着くことができるが、麓郷地区に行くため国道からそれて丘陵地帯を越える。

それらしい曲がり角を過ぎたので、国道沿いの商店で道を尋ねると私の考えたコースは工事中とのこと。もう少し遠回りのコースを教えてくれた。ツーリングマップで見るとやはり推奨コースになっていて、観光バスもそのコースをとっているようだ。最初考えたコースは西瓜峠と言う小さな峠を越え麓郷方面に向かうコースだが、商店のおばさんは単に未舗装であると言っていたのかもしれない。

麓郷 15:00着 13:20発
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丘の景色s5tr
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丘の景色
丘の景色の中で小休止s5tr
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丘の景色の中で小休止

アップダウンの多い丘陵地帯を走る。そんなに期待はしていなかったが、すでに富良野や美瑛を待たずして素晴らしい丘の風景が沢山見えてきた。ちょっとした起伏の合間に見える麦畑や、ジャガイモ畑等のさまざまな作物が織り成す見事なパッチワークが、登り切ったところから望め、登りの苦しさをすぐに忘れさせる。何度も写真とアップダウンを繰返し麓郷に着いた。

麓郷の森 15:30着 16:00発
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麓郷手前の丘陵地帯s5tr
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麓郷手前の丘陵地帯
麓郷の森付近を走るs5tr
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麓郷の森付近を走る
ほとんど未舗装s5tr
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ほとんど未舗装

麓郷の交差点でスポーツドリンクで一服し出発しようと遠くを見ると、マウンテンバイクの女の子の7人ほどの集団が道を横切るのが見えた。荷物は積んでおらず、服装も軽いものなのでツーリングではないなと思いつつ出発する。彼女らはてっきり別の方向に向かっているのかと思ったら、私の走っている道に合流してきた。外国人の女の子を先頭になかなか力の入った走り方をしている。

彼女らの方が明らかにペースが早いので抜かれるままのんびり走っていると、後ろから来るバンにゆっくり抜かれた。どうも彼女らのサポートカーのようだ。どうりで彼女たち空荷で走っていたわけだ。

麓郷の町を抜けて左に折れ、森に向かって進むうちに大きな観光バスが沢山止まっている駐車場が見えてきた。ここが麓郷の森と言って、ドラマ「北の国から」で使用したロケ用の建物が移設され保存されているところだ。他にもログハウスがいくつかあり、地元出身のカメラマンのギャラリーがあったり、洒落た喫茶店や土産屋が森のなかに点在している。

観光バスや自家用車で来た人達は、野性味あふれる森には似合わない格好をしてドラマのロケで使われたログハウスを見て声をあげるている。

土産の絵はがきと写真フィルムを購入し出発する。帰路は途中から近道をして人気の無いダート道を走る。十勝岳と美しい緑をバックに走る姿をセルフタイマーで写真に納め、のんびり富良野の中心部に向かう。

美しい風景に見とれて、ぼーとダートを走っていると路肩から落ちて50cmほど下の畑に突入してしまった。作物に突っ込む手前の地面にタイヤをうもらせた程度で済んだが、景色を堪能するときは自転車を止めないとダートでは危ないことを悟った。

布札別 17:00着
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富良野の丘の風景s5tr
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富良野の丘の風景

走りながら今日泊まるYHのことを考えていたら、フロントバックの中に洗面用具を見かけなかったことに気がついた。そおいえば朝、いやにフロントバックの荷物に余裕があると思ったのだ。サホロYHに忘れてきたに違いない。

布札別と言う集落の小さなマーケットの前の公衆電話でサホロYHに電話をして確認すると、やはり風呂の脱衣所に忘れてあった。着払の宅急便で自宅に送ってもらうことをお願いし、マーケットで歯ブラシ等の洗面用具を仕入れる。

富良野ホワイトYH 18:10着
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富良野の丘の風景s5tr
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富良野の丘の風景
富良野の丘の風景s5tr
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富良野の丘の風景
富良野盆地を見下ろすs5tr
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富良野盆地を見下ろす
■QuickTime動画「富良野の丘に現れるサイクリスト」を見る(SIZE 1675KB)

この辺は富良野の町の中心部がある富良野盆地の南東部の丘陵地帯で、丘の景色が素晴らしい所だ。盆地へは下るだけのはずが、アップダウンの連続で舗装路を快調に走っているにもかかわらず、なかなか盆地にたどり着かない。途中、「北の国から」のロケで使用された、小学校の脇の丘の景色の素晴らしい所で写真を撮り、ひたすら走る。盆地の手前にさしかかり、いざ待望の下りとなったところでまたダートである。北海道ではダートと言っても道幅も広く交通量の多い所が多く、面白い走りができる反面、どうなっているのかと首を傾げてしまうことが多々ある。

下りの途中から見下ろす富良野盆地は広く、道が整然と碁盤の目のように並んでいる。今日の宿泊地である富良野ホワイトYHは盆地を挟んで反対側の山際に位置し、町の中心部を抜け、空知川を横切ってスキー場に向かって少し登ることになる。

なかなか現れないYHに、もう過ぎてしまったのかと心配になったところで、やっと看板が見えた。道から立派なラウンジが見え、とても立派な建物のYHである。建物の裏のモーターバイクが止めてある所に自転車を止めてチェックイン。

先に夕食を取るために食堂にむかう。一人で夕食を取っている若者がいたので声をかけ一緒に食事をする。これだけ大きいYHだと食事をするにも大人数でとてもアットホームというわけには行かない。とりのこされると独りぼっちでせっかくの食事が台無しになってしまう。彼は愛知県から列車で来た予備校生で、昨日は悪天候の中、大雪山は旭岳に登ってきたそうだ。

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©1993 - 2006 YOSHIDA, man