麓郷の交差点でスポーツドリンクで一服し出発しようと遠くを見ると、マウンテンバイクの女の子の7人ほどの集団が道を横切るのが見えた。荷物は積んでおらず、服装も軽いものなのでツーリングではないなと思いつつ出発する。彼女らはてっきり別の方向に向かっているのかと思ったら、私の走っている道に合流してきた。外国人の女の子を先頭になかなか力の入った走り方をしている。
彼女らの方が明らかにペースが早いので抜かれるままのんびり走っていると、後ろから来るバンにゆっくり抜かれた。どうも彼女らのサポートカーのようだ。どうりで彼女たち空荷で走っていたわけだ。
麓郷の町を抜けて左に折れ、森に向かって進むうちに大きな観光バスが沢山止まっている駐車場が見えてきた。ここが麓郷の森と言って、ドラマ「北の国から」で使用したロケ用の建物が移設され保存されているところだ。他にもログハウスがいくつかあり、地元出身のカメラマンのギャラリーがあったり、洒落た喫茶店や土産屋が森のなかに点在している。
観光バスや自家用車で来た人達は、野性味あふれる森には似合わない格好をしてドラマのロケで使われたログハウスを見て声をあげるている。
土産の絵はがきと写真フィルムを購入し出発する。帰路は途中から近道をして人気の無いダート道を走る。十勝岳と美しい緑をバックに走る姿をセルフタイマーで写真に納め、のんびり富良野の中心部に向かう。
美しい風景に見とれて、ぼーとダートを走っていると路肩から落ちて50cmほど下の畑に突入してしまった。作物に突っ込む手前の地面にタイヤをうもらせた程度で済んだが、景色を堪能するときは自転車を止めないとダートでは危ないことを悟った。