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もっと早起きをしようとしたが、結局起きたのは、7時過ぎ。とても天気がよい。 朝食は、電車の中で食べればよいと、出発の準備をして、チェックアウト。この辺は仙台の中心部から5kmほど東の宮城野区という場所だが、住宅地や公共施設が多く、その中を抜けて、仙山線の東照宮駅を目指す。 大通りを避けて、ひたすら西に向かって裏道を行こうとするが、購入した地図の精度が悪いのか、思った通りに走れない。しかし、仙山線らしき線路沿いの道に出たので、これで一安心。 |
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線路沿いに走れば、簡単に東照宮駅にたどり着けるだろうと思ったのが甘かった。駅近くまで来ていて人が待つホームが見えるのだが、駅への入口が解らない。結局ぐるっと大きく駅を一週する形で、やっと細い路地の入口を発見。先ほど横切った踏切脇からも入れたようだが気が付かなかった。 この東照宮駅は、その名の通り東照宮のすぐ近くにある駅だ。日光の東照宮と同じ名前の神社だが、以前、サイクリングで訪れたことがあるので、記憶している。 階段で橋上駅に上がり、ホームに出る。時間的に通勤客が多く、その人たちを避けて、ずっと先頭車両方向に移動する。入線してきた電車は、比較的新しい列車。もっとひなびたローカル線を想像していたのだが、しっかりと仙台近郊区の通勤列車だ。 |
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東照宮駅を出た仙山線の電車は、最初は東方面に向かい、大きく「つ」の字を描くように、西に方向を変え、仙台駅のホームに滑り込んだ。 さて、ここから、東北本線の支線になる、利府駅に行くつもりだが、利府行きの電車まで時間がある。東北本線とはいえ支線なので本数が少なく、タイミングが悪いと待たされる。少々考えたあげく、こちらも輪行をしたことがない仙石線に乗るべく、地下ホームに移動する。確かこの仙石線は仙台駅の東口の駅前広場にホームがあったはずだが、地下に移動したようだ。おまけに、仙台駅が終点だったはずが、それを通り越して東側に「あおば通」駅という駅が終点になっている。地下鉄との乗り換えを便利にしたようだ。 地下のホームに降りると、石巻方面の電車が来ているのに、多くの人が乗り込まずホームで待っている。乗っている人も少々いるので、記念写真も撮らず乗り込むと、5駅先の車庫のある小鶴新田駅行きで、回送列車に近い感じだ。どおりで乗る人が少ないはずだ。私は、ほぼ平行の東北線に乗り換えるので、そんな先まで行く必要はないので、乗って良かった。 |
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乗り込んだ仙石線を、どこまで乗ろうか迷ったあげく、東北線に乗るのに一番近い若竹駅で降りる。終点の一駅前の駅だ。この辺はすでに地上に出ている。 高いところにあるホームから降りて、改札を抜け、駅前で写真を撮って、自転車を組み立てて走り始める。仙石線での輪行が完了した。 若竹駅は、国道45号線の上にある橋上駅。一瞬方向感覚が無くなり、見渡すと目印のコンビニが目に入ったので、こちらの方向に間違いないと思い行ってみると予定外の自衛隊の施設の脇を通る。地図で確認すると、案の定180度逆方向。コンビニのマークに関しては、当てにならないことを実感。利府駅行きの東北線に間に合わない可能性を感じ、焦って、来た道を戻る。 |
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予定していたルートを見つけ、西に向かって走ると、踏切と高架橋が見えてきた。東北本線と、東北新幹線だ。東仙台駅がもうすぐだ。しかし、時間を確認すると、すでに利府駅行きの列車は出た時間。これで諦めがついて、ゆっくりと昨日下車した東仙台駅に向かう。駅についてさて、どうしようかと考えていると、すぐに、松島方面の東北線が来るので、それに乗って、途中で下車して、自転車で利府駅にアクセスしようと考える。利府駅行きの電車を待って、また折り返してくると、終点の利府駅での時間の余裕がないので、往路は自転車で走り、帰路のみ、利府駅から仙台駅まで戻るのがよいと判断。 数分後に来た列車に乗り込む。昨日は上りーホームで下車し、高架橋を渡って下り方面のホームから改札を出たが、下りは駅の改札前のホームから乗り込めるので、楽だ。 |
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この時間の下り電車は、松島あたりまでしか行かないからか、とても空いている。先ほどの近郊列車というイメージの仙石線とは大違いで、いかにも中距離列車という感じで駅間も長い。 さて、利府駅にアクセするには、どの駅で降りて走るのが良いか地図をじっくり見て、塩釜駅で降りることに決める。塩竃の街の北側の丘陵地帯を越えて利府駅に向かうルートだ。上りがどれだけあるのかが読めないのがつらいが、3kmほどの距離だし、時間は比較的あるので何とかなるだろうと、塩釜駅で自転車を組み立てて、東北線沿いの道を北に向かって走り出す。ほどなく右側に塩竃神社が見えてくる。昔、例によって、奥の細道サイクリングで訪れたことがあるポイントだ。 |
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塩竃の郊外を走り、丘を超えてあとは利府駅に向かって下るだけだ。思ったより楽勝で、手応えがないほどで、利府駅に到着。とても立派な駅舎と、駅前広場だ。モダンな作りなので、最近出来た駅かと思いきや、とても歴史のある駅で、後から聞いた話しだと、本来の東北本線はこちらを通る予定で、線路が敷かれたが、何故か塩竃を通るルートに変更されたようだ。そちらは、海に近い山がちのエリアをトンネルが貫いているが、当時、トンネル工事は大きな負担だったろうから、比較的平坦な利府を通るのが当初は順当と考えられたのは当然だ。 利府(りふ)の地は、もともと十府(とふ)と呼ばれる著名な地域だったのが、利府(とふ)という名前のお城が出来てから、利府(りふ)と呼ばれるようになったようだ。 仙台駅方面から来た電車がホームに滑り込んできて、これが折り返して仙台駅方面に戻る。乗り込むと、ほどなく電車は出発。途中の新利府駅の脇は、東北新幹線の車両基地で、各種の新幹線車両が沢山止まっていて、にぎやかだ。 |
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東北本線の支線、通称利府線は、たった2駅しかない短い支線だ。東北本線との合流する駅、岩切駅にはすぐに到着。仙台まで行く電車も少なくないようだが、通勤時間を過ぎると、岩切駅までしか行かず、東北本線に乗り換えて仙台まで行かなければならないようだ。終点の岩切駅に着いたのに、半分以上の人が電車から降りようとしないので不思議に思っていたら、仙台方面への乗り換えは、10分以上待たされるようで、急いで電車から降りずに暖を取っているようだ。私の持っている時刻表では、4分ほどの待ち合わせだったはずだが、先日のダイヤ改正で、連絡が悪くなったようだ。 岩切と言えば、松尾芭蕉の「おくのほそ道」のタイトルの由来となった奥の細道が近くにあると言われていて、私も奥の細道サイクリングでは、訪れたことがある。などと、昔のことを思い出しながら、電車を待つ。 |
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| 途中の杜せきのした駅は巨大ショッピングモールのための駅 |
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岩切駅を出た仙台駅行きの電車は、3度目の東仙台駅を通り、仙台駅に戻ってきた。 さて、往路から気になっていた、仙台空港アクセス線という先日開業した鉄道に乗ってみようと思い立ち、専用のホームに向かうと、最新の車両が待機していた。まだ時間があるので、キオスクで土産や、東北方面のみのJR時刻表を買い、ホームの自販機で飲み物など買い込み、遅い朝食でも食べようかと電車に乗り込んだが、すでに多くの乗客が乗っていて、座る余地がない。 先頭車両に乗り込み、運転席のすぐ後ろに立つ。運転席見ると、前方の窓の上には液晶モニターが3個列んでいて、ホームの様子が映し出されている。よく、ホームの上に有るTVモニターが、列車内にあるようで、駅に到着すると映し出されるようになっている。 仙台駅を出た仙台空港アクセス線は、東北本線を走り、名取駅を過ぎて、東にルートを変更して、仙台空港を目指す。仙台駅を出て3つめの駅、先日開業した太子堂駅をすぎ、名取駅を過ぎると、高架線に上り、高いところを走るようになり、田園地帯が見渡せる。 仙台空港アクセス線の独自線に入り、最初の駅、杜せきのした駅に近づくと、巨大なショッピングモールが見えてきた。駅では、8割ほどの乗客が下車し、多くの乗客がこのショッピング・センターのお客さんであることがわかった。車両に、大きくショッピングセンターの広告が書かれていたのを不思議に思っていたが、途中の新駅は、そのほぼ同時に開業したショッピングセンターのための駅だったのだ。 |
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次の駅、美田園駅も、駅前になにか出来るような感じである。いくら仙台空港とはいえ、莫大な数の利用客がいるわけではない。あえて新線を作るぐらいだから、途中の駅の利用者も喚起するようでないと、営業が成り立たないのだろうことは察することが出来る。そもそも何もない田園地帯だから、線路の用地買収は簡単だろうが、それに伴い、ショッピングセンターなど、空港よりも利用客の多い施設を併設することで計画が成り立ったのだろう。 旧来の街内の商店から客が離れて行き、ドーナツ化現象が起きる、郊外の巨大なショッピングモールにはあまり良いイメージはないが、自動車でのアクセスだけでなく、このような公共交通機関で、容易にアクセス出来るようになっているのは好印象だ。 そんなことを考えている内に、仙台空港の国際線ターミナルの文字が見えてきた。終点仙台空港駅は、とても近代的なホーム。開業して間もないので、ホームで記念撮影をする乗客も多い。 仙台空港アクセス線については仙台駅にしきりにこの線の説明が出ていたので、JRの新線かと思いきや、実は第三セクターが運営する路線だ。名取駅から終点までは、JRの路線ではないので、青春18きっぷは使えない。列車内の表記の違い等により、うすうす感じていたが、乗り越し清算は、400円を支払うことに。まあ、開業間近の記念で乗ることが出来たので、良しとしよう。 空港に行く通路には目もくれず、エスカレーターで地上階に降りて自転車を組み立てて、空港から出て、東北本線の駅を目指す。最寄りの駅で、今までは空港との間をバスが頻繁に結んでいたと考えられる、館腰駅には向かわず、もう一つ先で、常磐線との分岐駅である岩沼駅を目指して、ペダルを漕ぐ。 |
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仙台空港から、岩沼駅へは5kmほどの距離だ。空港付近の大型車の交通量の多い無機的な道路から離れて、少々古いしっとりとした瓦屋根の家の続く、なんということのない古い住宅地を通り抜けて、川沿いの道に出て、岩沼駅を目指す。 バイパス的に岩沼市内を迂回している国道4号線を越えると、岩沼の街内だ。道を一本間違えて住宅地を走っていると、古い自転車店があった。懐かしい「水谷自転車」の看板がそのままの店だ。 岩沼駅には、余裕で到着。と思いきや、また時刻が変更になっていて、少々焦って、自転車をパックして東北本線の上り列車に乗り込む。 さて、まだ時間もあるので、このままストレートに東北本線を乗り継ぐのも芸がないと思い、以前より少々気になっていた、阿武隈急行に乗ってみようと思い立った。この阿武隈急行線は、一つ先の槻木駅から東に枝分かれして、東北本線に平行に福島駅まで行っている。時間があるので、槻木駅で乗り換えるのも芸がないので、もう一つ先の船岡駅にて東北線を降り、東船岡駅まで自転車で走ることにする。 |
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船岡駅で東北線を下車。船岡駅の駅舎は、ちょっと不自然なぐらいの和風な外観。 自転車を組み立てて、余り時間がないので、写真を撮って、さっさと東船岡駅に向かうべくハンドルを、東に向け走り始める。 駅前の商店街はとても静かで、それも、すぐにとぎれて、閑散とした道を行くことになる。 |
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ひたすらまっすぐの道を走ってゆくと、前方に高架橋が見えてきた。阿武隈急行線を跨ぐ高架橋に間違いなさそうだ。高架橋に上がる手前を右にはいると、駅があるはずだが、駅に近づく感じがしないので、地図で確認するが、正しいようだ。 駅のある方向に行くと、忽然と駅前ロータリーが現れて、その反対側の一段高いところにホームと、駅舎とは言い難い小さな建物が見えた。非常に寂しい駅前だが、ローターリーだけは立派だ。 急いでここまで来たが、福島行きの列車までまだまだ時間がある。写真を撮って、自動販売機で飲み物を買って、食べ損ねた朝食兼、昼食の準備をしていると、ぽつりぽつりと、高校生らしき数名が駅に到着して、電車を待っている。 この駅は、始発駅の槻木駅の隣の駅になるわけだが、単線のなかの交換駅で、ホームが反対側にもある。時刻表を確認すると、ちょうどすれ違いのために、2方向から電車が来るようなので、福島方向に行く電車のホームを確認すると、反対側だ。ホームの端からホームを降りて、線路を渡って反対側のホームに移動し福島行きの電車を待つ。先に、槻木駅行きが来てひたすら福島行きの電車を待っているが、なかなか来ない。やっと到着した電車に乗り込み、空いている電車の中で、食事とする。 |
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阿武隈急行線は、その名の通り阿武隈川沿いを走る路線で、全長約55km。もともとは国鉄だったようだ。沿線の2県と地元の交通会社と沿線の市町が株主の、いわゆる第三セクターで運営されている線だ。 後から歴史を調べてみると、国鉄としては、槻木駅〜福島駅間を運営していたわけでなく、槻木駅から宮城県内の丸森駅までの電化されていない丸森線としての運用だったのが、国鉄からJRになる際にこの丸森線の廃線が決まってから、路線を福島まで延長することを前提に第三セクターに引き継がれ、電化されたようだ。JRとして営業が成り立つ見込みがないから廃線となったわけであって、このように路線を拡張し電化して営業を続けられるというのは、とても珍しいパターンのような気がする。もっとも、自治体がお金を出しているから運営出来ると言うことでもあるのだろうが。 阿武隈急行線は福島駅のかなり手前で、東北本線の線路乗り入れたようだが、結局到着したホームは、JRの福島駅のホームではなく、福島交通飯坂線と同じホームだ。列車からホームに降りると、正面に改札があり、精算所で乗車整理券を渡し、運賃920円を支払い、改札を出る。東北本線への乗り換えの時間があまりないので、急いで改札を出ると、駅前広場に出てしまった。てっきりJRに乗り換えられる物と思っていたが、JRの駅入口が見あたらず、右も左も解らないので、近くの人に教えてもらって、JRの駅入口に到着。すぐ脇であったが、駅ビルなどの一角なので、初めての人には解りづらい。 昨日、乗り継いできた見慣れた東北本線の電車に乗り込む。郡山駅行きだ。 |
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福島駅を出た電車は、50分ほどで、郡山駅に到着。福島県では、福島市より郡山市の方が大きいと聞いたことがある。 この駅で、30分ほどの待ち合わせで、黒磯駅行きに乗り換える。相変わらず、細切れに乗り換えが発生するが、何とか連絡を保っているので、それほど非効率な移動という感じはしない。 |
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郡山駅を出た電車は、80分ほどで、黒磯駅に到着。ここからは、電車の電源が交流から直流に切り替わるので、必ず乗り換えになる。 6分の待ち合わせで、宇都宮行きに乗り換える。往路は、高崎駅から黒磯駅まで直通だったので、宇都宮駅で乗り換えるというのは、もっと細切れの感じがする。 |
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黒磯駅から50分ほどで、宇都宮駅に到着。3分の待ち合わせで、上野行きに乗り換える。乗り慣れた最新の通勤列車で、気のせいか、今まで乗ってきた電車よりスピードが速い気がする。 |
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往路は高崎駅から両毛線で来たが、小山駅で両毛線に乗り換えず、大宮駅まで来た。ここで高崎線に乗り換えて、高崎に戻っても、東北線も高崎線もスピードが早いせいか、高崎駅への到着時刻は、両毛線経由と、さほど変わらない。小山駅での両毛線との接続が余り良くないのも理由の一つだ。 とは言え大宮駅経由なのは、用事があって、桶川の実家に寄る必要があるというのがいちばんの理由なのだが、急いで向かう必要はないし、通勤時間帯を避けるために、大宮駅の書店などで買い物をして時間を潰し、それほど混んでいない高崎線の下り電車に乗る。 |
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桶川駅に到着。駅前のスーパーマーケットで買い物をして、実家に向かう。 |
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無事実家に到着。2日間、電車にばかり乗っている、サイクリングとは言いづらい、バイク・パッカーの旅でした。 |