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朝食をしっかり食べ、出発の準備。靴も古新聞を入れておいたので、ほぼ乾き、チェーンにも注油して、昨日の雨の影響は少ない。 同泊のご夫妻うちの一組が、カヌーで琵琶瀬川を下るということ。霧多布湿原を楽しむのには一番良さそうだし、天候も悪くない上、昨日の雨で、水量は豊富なようだ。宿の主人がカヌーを屋根に積んだバンで出かけて行くので、挨拶をして別れる。 引退間際の犬のハイシー君と、まだ子犬のウメボシ君と遊んだ後、清算をして、出発。今日は、ほど近い、霧多布岬のキャンプ場に移動して、テントを張るのだ。 |
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昨日も往復した道を、浜中湾沿いに南下。霧多布岬のある半島の根本の信号で、宿の女将さんの車に追いつかれて、挨拶。信号を左折して、霧多布大橋を渡る。あれ、橋の下はどう見ても海の一部で、川じゃない。ということは、この先は半島ではなく、島になるはずだ。謎だ。 後で謎が解けたが、ここは昔は、地続きの半島だったが、狭く低いところが地震で地盤沈下したのか、一部海となってしまったとのこと。それ以外は何も変わらないわけで、近代になって、霧多布島というふうに改称にするのもおかしいので、そのままなのだろう。 橋を渡ると、浜中町の中心部で、一番にぎわっている市街地だ。メイン・ストリートを突き当たりまで行き、直角に右折れると、ぐいっと一気に登ると、半島の背の部分に出る。そこから東に向かうこと、約3kmで霧多布岬に到着。 見渡す限りの大海原と、何もない緑の陸地。北海道らしい岬の長めだ。正確には、少々南側にある灯台のところが岬なのだろうが、ここには駐車場や展望台など、観光設備を整えているのだ。30分ほど写真を撮るなどして、霧多布岬を後にして、すぐ近くの霧多布岬キャンプ場に向かう。 |
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岬を出てすぐにキャンプ場に到着。南側に海が見渡せるロケーションで、とても良い眺めだ。まだ、管理人さんが来ていないが、管理棟やトイレ、炊事棟や、ゴミの集積場所など、設備はしっかりしていて、これで無料とは本州ではあり得ないキャンプ場だ。 バンガローも、10棟ぐらいあり、その裏手にテントを張ることにした。海がよく見えるし、なんと言っても、岬の突端近くで遮る物がないため、風が強いと悲惨だと言うことを、以前このキャンプ場に来たことのある人から情報を得ていたので、バンガローを風除けにすることにしたのだ。 テントを張って、身軽になり、出かけるべく、管理棟に行くと、ちょうど、管理人さんが到着した。ノートに利用者の情報を書いてくれとのことで遅ればせながら書き込む。今日明日の土日は、浜中うまいもん市といイベントをやっているので、昼食はそこでとることにしていたが、管理人さんもお奨めと言うことだ。 |
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来た道を戻り、霧多布大橋の一つ南側の橋を渡って、裏道を行く。浜中うまいもん市の会場は、昨日雨の中行った、霧多布湿原トラストの建物のすぐ前の広場だ。会場に近づくにつれ、車が多くなり、交通整理の人が旗を振っている。会場には大型の観光バスがどんどん入ってきていて、こんなに大がかりなイベントだとは思わなかったので、びっくり。一角には、トレーラーを舞台にして、太鼓など、地元の芸能が披露されている。 会場は昨日の雨でぬかるんでいたが、正午を過ぎて、昨日の雨がウソのような好天になってきた。昨日の話しでは、雨天の場合は、浜中町役場に近い会場で行うとのことだったが、これだけの観光客を誘致しているのであれば、中止と言うことはあり得ないのだろう。 地元で取れた食材をつかった食べ物が並んでいる。宿でも食べた、浜中町内の火散布産の大粒の牡蠣を焼いた物が100円とか、焼きたての分厚いサーモンの定食や、鹿肉のウインナーも食べる。Kさんは、花咲ガニが安いということで、一箱買い求め、クール宅急便で、送ってもらっていた。 ビンゴ・ゲームが始まって、真剣にとりくんでいると、当たった人は、観光バスで来ている団体客なのか、札幌などからも来ているようだった。 ビンゴ・ゲームも終わり、そろそろ、イベントも終了の時間で、沢山の観光客を乗せた観光バスがどんどん出て行き、主催者の人がお辞儀をして見送っている姿が印象的だった。 浜中うまいもん市の会場から、南側に嶮暮帰島が間近に見える。昨日は、悪天候の中たまに見えた程度だが、平べったい地形が印象的な島だ。ムツゴロウのどうぶつ王国は、昔、ここで動物を集めて最初に始まったそうだ。 |
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霧多布湿原を見渡せるという、琵琶瀬展望台を目指す。琵琶瀬川を渡ると、本格的な上りが始まった。登って行く途中に、霧多布湿原が見えるところもあるので、中腹にでも展望台があるのだろうと思っていたが、それらしき物はなく、どんどん、南側に移動してゆき、霧多布湿原は見えなくなってきた。心配していると、海との間の尾根に上がってしまい、今度はずっと高いところから、霧多布湿原が見えるようになってきた。てっきり、昨日の湿原センターのように湿原を取り囲んでいる山の中腹にでも展望台があるのかと思っていたが、そんなレベルではなく、かなり高いところからしっかり眺めるようだ。 ドライブ・インのような建物が見えてきて、そこが、琵琶瀬展望台だった。建物の上に上がると、昨日、ほぼ一日中しけ込んでいた湿原センターを含め、広い範囲が見渡せる。目の前に流れる大河は、琵琶瀬川だ。今朝、ご夫婦がカヌーで下った川だが、こんなきれいな川を下ったのかと思うと、うらやましい限りで、次回は私もカヌーで下ってみたいと思わせられた。 霧多布湿原とは反対側には、太平洋が見える。そして、ハマナスの濃いピンクの花がちらほら裂いている。花の写真を撮っていると、Kさんの姿が見えなくなった。土産店にでもいるのかと近づくと、中から、Kさんが顔を出してきて、私を呼び入れる。なにやら、カジカ汁を食べていて、豪華で、珍しいので是非と勧めるので、私も試してみる。アラが多いが、とても出汁が良く出ていておいしい。この店で、昆布など、土産を買い求めて、展望台を後にして、来た道をひたすら下る。 |
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琵琶瀬川を渡る琵琶瀬橋の手前で、右折しているところがあり、そこから左に入る道がある。ガイドマップで見かけた、霧多布湿原を楽しめる木道があるところは、この西側のエリアだが、なにも看板など無いので、不思議だ。しかし、他には考えられないので、ここを左に折れて、ずーっと路地をくねくね行くと、木道の入口があり、奥琵琶瀬野鳥公園となっていた。 自転車を止めて、歩いて木道を巡ると、野鳥自体はほとんど見かけられなかったが、運が良ければ、丹頂なども見ることが出来るのだろう。ぐるっと回って反対側の入口に出ると、ここには駐車場もあり、看板が出ていて、NPO霧多布湿原トラストが管理していることが解った。最大手のコンビニエンス・ストアー・チェーンなど、協賛している企業の名前もしっかり書いてある。ここまでしっかり管理しているのに、大通りからの入口には案内などは無く、琵琶瀬展望台の土産店のおばちゃんに訊いてもはっきりしていなかったが、間違いなかったようだ。 |
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来た道より北側の川沿いに新しい道があったので、それを使って、道道に戻る。来た道を浜中うまいもん市の会場の前のNPO霧多布湿原トラストの建物の前に自転車を止め、昨日は天候が悪かったので見送った木道を行ってみる。木道は琵琶瀬川の支流の泥川の手前までできていて、終点は広くなっている。途中、野草を沢山見ることが出来るようになっていて、定期的にベンチもあり、花などの説明の看板も豊富だ。 日光キスゲと同じ仲間という、エゾカンゾウの黄色い花が咲き乱れているので、カメラのレンズを換えて、接写してみる。他にも、ヒオウギアヤメの紫色も見事だ。花は、ピークは過ぎたのか、もう枯れている物も多かったが、いろいろな種類の花がここで見ることが出来る貴重なエリアだ。 NPO霧多布湿原トラストの正面の、とっくに終わっている浜中うまいもの市の仮設トイレを借りてから、キャンプ場に戻るべく出発。 |
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浜中町では昨日、昆布漁の解禁日だったが、雨だったので、今朝が昆布漁の解禁となり、お昼前から、あちこちで、取ってきた昆布が乾されている。それをもう、昼過ぎになると、まとめて規格の幅に切り揃えて、出荷準備をしていたが、まだこの時間でも一部乾されている物があった。 途中のセイコマートや、スーパー・マーケットで今日の夕食の食材を買い込んでから、道の突き当たりを上り、岬とは反対側に進んで、公共の温泉施設「霧多布温泉ゆうゆ」に到着。新しい立派な設備で、ひとっ風呂浴びてから、キャンプ場に戻ることにする。自転車を駐輪場に止めて、荷物をコインロッカーに預けて、風呂を満喫。ちょうど日没直後のだんだん暗くなって行く霧多布の地形を眺めながら露天風呂も楽しむ。 ちょうど同じ時間にこの施設に到着した川崎ナンバーのモーター・バイクに乗っているモーター・サイクリスト氏と露天風呂で話しになる。彼のモーター・バイクは、道中、何度か見かけたが、今晩はやはり岬のキャンプ場に泊まるようだ。風呂上がりに、彼が持っているちらしで、サービスの牛乳をカウンターでもらい、展望が楽しみながら、くつろげるエリアで、イスに腰掛けて3人揃って一服する。とてもよい気分だ。 建物を出て、駐輪場に行くとびっくり。Kさんは買った食材を自転車に付けたままだったが、散乱している。カラスにやられたのだ。らっきょうは、嫌いなのか、パッケージが開かれていたが、食べられていなかった。明日の朝食にと購入したおにぎりなどは、跡形もなくなっていた。 |
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もう真っ暗になった道を、キャンプ場に戻る。戻ってすぐに、火器を出して、夕食を作る。ウナギの蒲焼きを温めて、ソーセージを茹でて、発泡酒で乾杯。Kさんが琵琶瀬展望台で買ったスルメを焼いて裂き、七味を入れたマヨネーズに付けて食べる。最近よくやる、キュウリの丸かじりも。 お腹を満たして、波の音を聞きながら、北海道での初めてのキャンプ泊だ。 |