ちょうど昼食時で、前から行ってみたいと思っていた、この通り沿いにある、台湾ベジタリアン料理の店、陳媽媽に向かう。朝食もまだなので、しっかり食べようと、店が見えてきたので、道を横切ると、大雨が降ってきた。今日は降らないだろうと思ったのに残念だが、ちょうど店にはいるところだったので、幸運だったと言うべきだろうか。
自転車を折り畳んで、店に入ると、昼時だからか、4つのテーブルの、半分ぐらいは客が座っていた。一番入りに近いテーブルに腰掛けると、中国語で話しかけられる。英語で、日本人だというと、近くに座っていたおばさんが、簡単な日本語で話しかけてくる。みんなニコニコしてこっちを見ていて、悪い雰囲気ではない。美味しいという噂の、鍋焼きうどんだろうと思えるメニューを頼む。出てきた物は、少々薄味だが、懐かしい味だ。肉類を使わずにここまでやるとは、やっぱり中華料理はすごい。他の人も、多くの人が同じものを食べていて、この店の看板料理のようだ。
鍋焼きうどんを、ぺろっと食べきり、次に、焼き餃子を頼む。これもとても肉を使っていないとは思えないほど美味しい。ベリーズでは中華料理店に行っても、焼き餃子は、あまり見かけず、餃子が有ったとしても、水餃子だったりする。中国大陸では、餃子は茹でて食べるのが主流のようだが、他にも台湾人経営の店で、焼き餃子を出す店を知っているが、台湾では、日本と同様、焼き餃子が主流なのだろうか。
焼き餃子を食べ終わったところで、中国人の若者一人が、ここに座っても良いかと、私のテーブルに移ってきた。私が日本人と言うことで、話をしたいという。外は相変わらず大雨で、時間もあるので、大歓迎だ。彼は、台湾から1月前にベリーズに来たばかりだとのこと。名前は陳さんだがこの店とは関係はなく、昼食を食べに来たとのこと。ベリーズは、台湾と正式に国交がある数少ない国の一つで、台湾から移住してくる人が多い。彼は、台湾では数学の教師をしていたそうだが、ベリーズに来て、近くの親戚のやっている食料品店の2階のアパートに住んでいて、今は仕事を探しているという。
のどが渇いたので、アイス・コーヒーを頼む。アイス・コーヒーをお店で見たのは初めてで嬉しくなって頼んでしまった。しかし、甘い。日本でも昔は、甘いアイス・コーヒーが喫茶店でも出ていたなと、変に懐かしくなる。アイス・コーヒーを飲み終わると、店の外が明るくなって、雨が完全に上がった。今がチャンスとばかり、会計を済ませて、陳さんと外に出る。
ここからノーザン・ハイウェイは近いが、同じ道を戻るのは芸がないので、あえて平行に走っている裏道を北に向かい、できるだけ北上してから、ノーザン・ハイウェイに戻ることにする。ちょうど、陳さんの家も同じ方向にあり彼も自転車なので、途中まで一緒に走りはじめ、彼が2階に住んでいるという食料品店の看板が見えたところで別れる。
少々行くと、また、台湾人経営のベジタリアンの店が見えてきた。この店は、「カモメ・オリエンタル・レストラン」と言って、日本語の名前が付いた東洋料理店とでも言えばよいのだろうか、以前行ったことがある。店名が日本語だというだけではなく、日本でもなじみの料理が豊富で、半分日本料理店と言っても良いぐらいの店だ。店主も日本に住んでいたことがあるのか日本語がかなり出来る。しかし日本料理とは違うのは、やっぱり肉を使っていないからだろうか。